二次元

□エスケープ
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「アウル・・・いいの?」
防波堤の上に座って海を眺めていた金髪で菫色の瞳の少女がそうぽつりと言った。
「はぁ?何がだよ?」
ステラの突然の問いに隣に座っていた空色の髪と瞳の少年がそう怪訝そうに聞き返す。
「学校・・・行かなくていい?」
ステラがアウルの顔を覗きこんで聞く。
―それなら最初からそー言えよ。
アウルは心の中でそう毒付く。
ステラがアウルにそう聞くのは当然の話。
今日は平日でもちろん普通に学校もある。
それにも関わらず二人が今居るのは海だ。
「別にいいんだよ。ステラ海見たかったんだろ?」
「うん!」
アウルが聞いてステラが嬉しそうに答える。
今がこうして2人が海に居るのは登校中にステラが海が見たいと言い出した為アウルが連れて来たのだ。
ラッキーな事に?今日は煩いスティングが一緒ではなかったのでどうやって学校をサボるか考えていたアウルはステラの海を口実?にサボる事に成功した。
「今日はすっと2人で海見てようぜ」
「うん!ステラ・・・海好き。アウルと色同じ。だから好き」
アウルの言葉にステラがにこにこ笑ってそう言った。
「ば、馬鹿!何言ってんだよ」
ステラの言葉にアウルがそっぽを向いてそう言った。
「アウル照れてる?可愛い・・・」
ステラが笑ってアウルの頭を撫でる。
「照れてねーし。それに僕は『可愛い』なんて言われても嬉しくもなんともないし」
アウルはそうそっぽを向いたままそう言った。
「アウル、猫みたい・・・」
そっぽを向いたままのアウルを見つめてステラがそううっとりと呟く。
「じゃあ猫!」
ステラが突然そう大きな声で言い放つ。
「はぁ?」
突然変なことを言い出すステラにアウルは思わず振り向いた。
「前にネオ・・・言ってた。アウルは猫だって・・・。スティングとシンも!」
楽しそうにステラが話す。
―ったく。何を言い出すかと思えば・・・。あいつら僕のステラに余計な事吹き込みやがって・・・。
「アウルどうしたの?怖い顔してる・・・」
アウルがそんな事を考えているとステラがアウルの顔を覗き込んで聞く。
「なんでもねーよ」
そうそっけなくステラに言う。
「アウル怒った?ステラ・・・アウル怒る事言った?」
ステラがそう不安そうに聞く。
「怒ってないし」
アウルがなおもそっけなく言う。
「本当?ステラ違う?」
アウルの言葉にステラが嬉しそうに聞き返す。
「だから…そうだって言ってるだろ」
アウルがめんどくさそうにそう返す。
「うん!アウル大好き!」
そう言ってステラがアウルに抱きつく。
「ばっ・・・何してるんだよ。ステラ・・・放れろって」
顔を真っ赤にしてアウルが口早に言う。
「嫌。ステラ、アウルとこうしてたい」
そう言ってさらに強くアウルに抱きつく。
「ネオがね・・・『コイビトドウシ』はこういう事するって・・・」
ステラが抱きついたままそう言った。
―またネオかよ。
ステラの言葉にそう心の中で毒付く。
「馬鹿ステラ。お前恋人同士の意味分かって言ってんの?」
「??」
アウルの言葉にステラが不思議そうな顔をする。
「分かってねーなら軽がるしく『恋人同士』なんて言うなって」
ステラを引き剥がしてアウルが言う。
「それに恋人同士ってのはこーゆー事すんの」
そう言うとアウルはステラの唇に口付けした。
「ア・・・ウル。ステラ達恋人同士!」
アウルの行動にステラが嬉しそうに再び抱きつく。
「お前がなりたいなら恋人同士になってやってもいいぜ」
ステラを強く抱きしめてアウルが言う。
「本当?アウル大好き!」
ステラが嬉しそうに言った。

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