二次元

□花火の話
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「キノ様、歩くのが少し早くないですか?」
少し息を切らせながら言ったのは、綺麗な長いシルバーの髪と瑠璃色の瞳の20歳ほどの女性だった。
「陸くんは以外に体力無いんだね」
キノと呼ばれた少女が笑いながら言った。
そ、そんなことありませんっと小さく手を振って必死に否定していた陸を楽しそうに見ながら笑っていた。
「キノ様は先ほどから何をそんなに急いでいらっしゃるのですか?」
「何でだと思う?もう少しすれば分かるよ」
そう言うと悪戯っぽい笑みをみせた。
キノはカンカンカンと履いていた下駄を鳴らしながら少し早足で楽しそうに歩いている。
陸は着慣れない浴衣に何度も転びそうになりながら必死にキノの後を付いて行った。
キノと陸が海岸を歩いて行くと何回も男の子に声をかけられたがそれも当然と言って良い。
キノは黒地に赤や黄色、桃色いった、華やかな色の花柄の浴衣に黄色の帯を締め朱色地に白いウサギの付いた巾着袋を持ち、黒に紅い花緒の下駄。
陸は白地に色とりどりの花火柄の浴衣に青い帯を締め、黒地に黄色の花柄の巾着袋を下げ黒に黄色の花緒の下駄、髪には花簪を付けていた。
2人は港近くまで来るとキノが立ち止まりここら辺だなっとつぶやく。
そして近くにあったキノコの様な形をしたテトラポットに腰を下ろす。
「陸君そろそろ始まるよ」
キノはそう笑顔で言った。
ドーン!バチバチバチ
シュー!パチパチパチ
ドーン!ドーン!ドーン!パチバチバチ
「綺麗ですね!花火ですか?キノ様が私に見せたいと言っていたのは」
陸がキノの方を向いて言うとキノはああそうだよとそう言った。
2人は花火が空から消えるまで其処で見ていました。
           END

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