危険な刑事達の集まり

□始動
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【2007/09/14 pm8:30】


いつまでも暑い夜が続き、夜の街半袖姿で額に汗を浮かべ道行く人波
その中で1人長い髪に黒の上下姿、暗い顔で歩く女

安藤が死に父親代わりの安本が死に、そして親友だった筈の蓮見の裏切り…そして死…
上司・斉木も死に精神的にも落ち込む女・警視庁刑事部捜査一課殺人犯捜査四係主任 
雪平夏美、以前公安部に異動していたが斉木が死んだ事により半ば追い出される格好で元の課に戻された

酒に酔ったサラリーマン風の男達が肩をぶつけてくる
「なんだいねーちゃん!」
男達に見向きもせずその場を後にする
「馬鹿やろ〜」
背後で怒鳴るサラリーマン風の男、連れの男が必死で押さえている
「馬鹿かお前は〜」
1人呟き歩く雪平、まるで人と関わるのを避けるかのように

毎晩の様に通う飲み屋のいつもの場所にゆっくりと腰を降ろと店の親父が何も言わなくてもそっといつものメニューを出してくれる


カウンターで1人酒を飲んでいると、店の女の子が入ってきた客に愛想よく声をかける
客も愛想よく返し真っ直ぐにカウンターの所に来る
「やっぱりここに居たか」
背後から声がして振り向く女・雪平夏美
「薫ちゃん」
「あっいつもの…雪平いいかげん安藤の事は忘れろ」
入ってきた客、三上薫・雪平と同じ警視庁刑事部鑑識課監視官である
雪平の目の前に大盛りのキャベツが置いてある
髪をかき上げながら伏し目がちにキャベツを見る雪平
「もう一年半も立っているじゃないか、それに今度の日曜日は美央ちゃんの運動会だろう早く帰った方がいいんじゃないか?」
手にしたグラスの焼酎をゆっくり回しすとグラスの中の氷が小さく音を立てる
「…はぁ」
深くため息をつく雪平
「薫ちゃん、そうね、先帰るわ」
一気に焼酎を飲み干し勢い良く立ち上がる、が少し足元がふらつく
「大丈夫か?送ろうか?」
「えぇ大丈夫、1人で帰れるわ」
雪平の後ろ姿を目で送ると目の前に置かれたミルクを一気に飲み干す
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