【 Goku × Chichi 】Short ss

□頬から唇へ
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こちらの小説はセル編後なのですが悟空が生き返った…という設定でお読みください。



それではどうぞ↓↓







悟天が生まれて約4年……


正確に言えば3年と11ヶ月というところだろう




そんなある日――――


悟空が日課である修行を終えて家へと帰宅する




「たでぇま〜〜、チチ〜、オラ腹減った〜」




いつものように帰宅するが部屋の中はしんと静まり返っている


悟空は家へと足を踏み入れると、家にいるはずの人物の名前を連呼する




「お〜い、チチ〜、悟天、どこいったんだぁ?」



そういって辺りを見渡す


だが、キッチンにも洗面台にも寝室にも息子たちの部屋にもバルコニーにも姿は見当たらなかった



悟空はもう一度、1階へと降りていく




――――と、同時に


玄関の扉が開く




悟空は気で誰だかわかると、玄関へと駆け込む


すると、そこには大量の荷物を持ったチチと悟天……



大食漢の夫や息子たちがあるために買出しにいつも大量の食材になるのだ


それも5日過ぎると冷蔵庫はすっからかん……

そのため、孫家での食費は馬鹿にならないほどに高い


チチの父である財宝のお金がたまっていたが、それも最初のころの半分とない


けれど、チチは幸せだったために働けだの、金稼いで来いだの言わなくなった




悟空はまず、チチの荷物を手にすると、悟天の荷物を持った


さすがの悟空も全ては持ちきれないため、他はチチではなく、悟天に任せる



「悟天、ちゃんと落とさずにもてよ」


「うん、お父さんもね」


「おう」



などと悟空と悟天で会話していると、チチが悟天の後を追って言う




「悟天ちゃん、おらがもってやるから、おもちゃで遊ぶといいだよ」


「本当!わかった、じゃあ僕、上に行くね」




悟天は目を輝かせて、チチに荷物を渡そうとする


だが、悟空は悟天の方へと振り返り、言う




「悟天、母ちゃんばっかりに任せちゃだめだぞ?すぐそこだから、な」



そういって悟空は悟天へと近づく


すると、チチはしゃがんだ状態で悟空を見上げる

そして、小首を傾げるという




「今日はやたらとおらには優しくて、悟天ちゃんには厳しいだなぁ、どうしただ?」


「……別に、何でもねぇよ」


「僕わかるぅ!お父さんが優しい理由はね、お母さんが僕と結婚……!」


「悟て〜ん!ほら、早く遊ぶんだろ〜、だったら荷物運べ〜」




そういって悟空は悟天の話をそらす


すると、悟天は、は〜い、などといい、キッチンへ荷物を置くと、すぐに2階へと駆け上がってしまう



チチは悟天の言葉の続きを聞く暇もなく、わからなかったために悟空に歩み寄って隣に来ると尋ねる




「悟空さ?悟天ちゃんが何言おうとしてたか、知ってんだべ?」


「ぃや?知らねぇよ」


「嘘ついてるだな、顔に嘘って書いてあんもん」


「えっ!?どこどこ?」




そういって悟空はチチの罠にまんまと引っかかる


そして顔を触れると、チチはクスクスと笑って………




「そんなの冗談に決まってるべ?それより、さっきの続き…なんだべ?」


「冗談か……さっきの続きってチチにはあんま得しねぇからいいよ」




そういって、悟空はチチに組まれていたいほうの手で頬を軽く掻く


チチは悟空を下から見上げると、ギュッと腕に力をこめて、もう一度尋ねる




「得しなくてもいいから!何だべ?」


「気にすんなって……それより飯!」


「話しそらそうとしても無駄だべ、それに話してくれるまで飯作ってやんねぇだ」


「嘘だろ〜〜、そりゃねぇだろ、チチ〜」




そういって悟空はうな垂れるも、後で話すから、や、大した事じゃねぇ、などと言い訳をする


だが、チチは悟空がそこまで装うことは大した事あると判断して、粘って尋ねる




「ほら、早くいわねぇと飯作ってやんねぇぞ、早く早く!」




そういってチチは悟空を急がせる


すると、悟空はずっとそらしていた目を一瞬だけこちらへとやる



だが、すぐにそらして、わずかながらに頬を染める




「………言うけどさ、あんましからかうなよ?」


「からかわねぇから、早くしてけれ」




チチは念には念を押すと、悟空は小さなため息をついて、一言




「悟天がな、大人になったらチチと結婚するって言ってたんだ……そのことをチチに話したらチチもokしたって、そういったんだろ?チチだって………」


「言ったけんど、悟天ちゃんはまだ子供だからいうのが当たり前だべ?それに…悟空さ…それだけであんなに優しくなって………おらに捨てられるとでも思っただか?」




そういうと、チチはクスクスと笑い出す


すると、悟空は少しだけ頬を紅色にして、頬を掻く




「だって、しかたねぇだろ?オラ、チチがいなかったら生きてけねぇもん………」


「嘘だべ〜、悟空さはぜってぇ一人でも生きてけるだ、それにおらが捨てられちまいそうで怖ぇくらいだに……」


「オラ?オラぜってぇチチを捨てたりなんてしねぇぞ?死ぬまでずっと一緒にいる、死んでも一緒になりてぇもん」




それこそ、恥ずかしい言葉なのに悟空は平然と言う


チチは小さく笑って、頬を軽く染めるという




「生まれ変わってもおらたちはぜってぇはなれねぇだ、悟空さが忘れてもおらがまた迎えに行くしな」


「おう、でも…今度はオラが迎えに行く、約束だ」


「だべな、迎えに来なかったらぶっ飛ばしにおらが迎えにいってやるからな」


「………怖ぇから早く行かなきゃなんねぇな」




そういって悟空は苦笑い


チチは笑顔を崩さずにうれしそうに微笑む



だが、思い出したように、あっ、と声を上げて言う





「悟空さ、安心してけれ、おらは悟空さ一筋だからな」


「へっ?何のことだ?」


「だから、悟空さをずっと好きで悟天ちゃんとは結婚さしねぇってことだ」


「あっ、そのことか!そういうならオラ安心だな」




そういって悟空特有の明るい笑顔で笑うとチチは小さく微笑んで悟空の頬へとキスを落とす


それは天下一武道会でしたキスのように…



だがひとつ違っていた




「チチ…ほっぺじゃなくて口にしろよ」


「……悟空さがしてけれ」


「しょうがねぇなぁ…じゃあ目、閉じてろ」




そういうと、チチは悟空の姿を焼き付けながら目を閉じる


すると、すぐに唇に温かく柔らかい悟空の唇が触れる




そう………


悟空が結婚の意味を知って夫婦を理解できたからこそ

あのころとは変わったのだ



頬なんて挨拶のようなキスではなく

甘く濃厚なキスへと代わっていったのだった







本日はチチ空の日です。

更新遅くなってしまい申し訳ございません。

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