【 Goku × Chichi 】Short ss

□小さな嘘
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―――――人造人間襲来前―――――



悟空は単独修業を終えると急いで帰宅した


そして家の前に着くと扉を壊さない程度で開けると


「チチ〜!今けぇったぞ〜!」


と語尾をのばしながら言うとチチはキッチンから顔だけをのぞかせて
悟空の姿を見ると睨みつけるように険しい顔つきになった



「悟空さ!スーパーサイヤ人はやめてけれ!早く解くだ!」


と怒鳴りつけながら歩み寄って5メートルほどの距離をとった所で立ち止まって
腰に手を当てて睨みつけた



だが悟空はへらへらと笑いながら


「チチ〜・・・仕方ねぇだろ?これだって修業のうちの一つで・・・・・・」


「嫌だべ!その格好でいるなら家にいれねぇし飯抜きだべ!!」


と悟空の言葉をさえぎり怒鳴りつけた



すると悟空は冷や汗をかき


「・・・ぃ゛!チチ!それだけは勘弁!おねげぇだから家に入れてくれよ〜・・・」


と困ったように、しゅん、となると俯いた



チチはそんな悟空に弱気になりかけたが大きく左右に頭を振り


「ダメだべ!早く解くだ!」


「・・・・・・なんでそんなに嫌がんだ?別に俺なら良いじゃんか・・・」


というと益々険しい顔つきになり


「悟空さ!俺なんて使うもんじゃねぇだ!!不良の使うことばだべ!?」


「・・・・・・ぅ゛・・・頼むから許してくれよ・・・修業しねぇとさ、皆死んじまうだぞ?」


「そんなの関係ねぇだ!おらは悟空さと悟飯ちゃんと皆で普通の暮らしをしたいだけだ!」


「・・・・・・分かってけどよ・・・これで最後の戦いだから許してくれよ・・・・・・」


と弱気で言うとチチは悟空を見つめた




「最後の戦いなんてあたりめぇだ!でねぇと悟空さにはいつまでも働いてもらえねぇし、悟飯ちゃんだって学者になる夢があるだぞ!?人造人間とかいう奴を倒したらぜってぇに戦いはやめさせるだ!」


と悟空に言いつけるように言い放った



チチは悟空を見つめながら


「じゃあ、スーパーサイヤ人のこと、許してくれるんか!?」


と嬉しそうに言うとチチは左右に頭を振り


「それとこれとは話が別だ!それに悟空さがそのままでいるなら嫌いになるだぞ!?」


「・・・チチ・・・?おめぇさ、俺のスーパーサイヤ人って別に嫌ってねぇだろ?」


と小首を傾げるとチチは悟空を睨みつけた



そして悟空の目の前まで歩み寄ると


「スーパーサイヤ人は世界で一番嫌いだべ!!いんや!宇宙一嫌いだ!!」


と怒鳴りつけた



さすがの悟空もこの言葉には傷ついて


「・・・・・・チチ・・・宇宙一きれぇなんて言うなよ・・・」


「じゃあ、スーパーサイヤ人やめるだ!」


「・・・・・・・・・分かったよ」


と言うと、落ち込んだように俯きながら悟空は超サイヤ人を解いた



するとチチは怒っていたのは嘘だったように満面の笑みを浮かべると
悟空に抱きついた



悟空は修業ができないことに落ち込んでいたがチチの笑顔を見ると
どうでもよくなりチチを抱きしめた



「・・・お帰りなさい・・・悟空さ」


「たでぇま・・・チチ」



とお決まりの挨拶を交わすと優しく口付けた







・・・・・・・・本当は嫌いなんて嘘・・・



ただ、悟空さが強すぎて離れていきそうで怖いだけ・・・


だからどうしても悟空さにはそのままでいてもらいたい



けど、嫌いなんて言ってごめんなさい



さすがに言い過ぎたよね・・・



あの時、傷ついた悟空さを見たとき、言わなきゃ良かったって

後悔したんだ・・・



けど、これだけはきっとあなたも分かってるんだよね



おらがどんな悟空さでも好きでたまらないって・・・


この想いはあなたにちゃんと届いてるよね?



だから、本当はスーパーサイヤ人になったあなたも好き・・・



嫌いって言うのは私の小さな小さな嘘なんだよ・・・

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