【 Goku × Chichi 】Short ss

□本当のさようなら
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恐怖のセルゲームが終わってから2週間後・・・





「悟飯ちゃん、もう勉強は終わりにして、お布団にはいるだよ・・・」


チチは悟飯に作り笑いを向ける


「はい、お母さん!」


悟飯はそういうと、笑顔を向け、片付けを始めた


そして、チチは悟飯の片づけを手伝い、部屋を出て行こうとした


「お休み・・・」


チチはそういうと悟飯に手を振った


「おやすみなさい・・・」


悟飯はそういうと布団の中にもぐった


それを確認すると、チチは静かに扉を閉めた

そして、チチは寝室に向かわず、外へと向かった



チチは毎日、こうして夜に外へ出て、夜空を見ながら泣いているのだ



そして、今日も家をでて、夜空を見ようと外へ出た



だが、木の影に隠れている、翼を持っている者を見つけた


「誰だ?そったらとこにいたら風邪引いちまうぞ?」


チチは木の影に隠れている人物に話しかけた



そして、その人物は木の影に隠れながら、チチに声をかけた



「チチ、すまなかったな・・・約束破っちまって・・・」


その声に反応したチチは涙が出そうになるのを必死に堪えた


「悟空さか?」


そういって、木の影に隠れている人のところまで駆け寄った


そして、隠れていた人物の正体がわかった


「悟・・・空・・・さ・・・」


そういって、チチは静かに涙を流した



そう、それは悟空の姿であった


だが、違っていた場所といえば、悟空の背中には大きな白い翼があり、そして頭の上には天使の輪がついていることだった




それは、間違いなくこの世にはいないという証拠であった


そのことに気づいたチチは大粒の涙を流した


「チチ・・・わりー・・・」


悟空はそういって、チチの涙を自分の手で拭いた


そして、チチを自分の胸板に寄せ付け、力強く抱きしめた


「悟・・・空・・さ・・・なして・・・約束・・破っただ・・・」


チチは涙声になりながら必死に伝えた


「ごめんな・・・チチ・・・」


悟空はそういうとチチを強く抱きしめた


チチは涙を流しながら、悟空にしがみつくように悟空の体温を感じていた




・・・そして、やっと落ち着いたチチが悟空の胸から顔を上げた


そして、悟空を見上げながら、言った


「悟空さ・・・オラたちを救ってくれてありがとな・・・」


そういって、悟空の頬にキスをした


「ごめんな・・・オラ、家に帰って来れなくて・・・」


悟空は器用に片眉をあげながらいった



少し、切ない顔をしたが、一瞬、見せただけで、元の元気な悟空に戻った




(寂しいのけ・・・)




チチはそう思いながらいった



「もういいだ・・・だけんど、オラたちのことを空の上から見守っててけろ・・・」


そういって、目に涙をためながら、最高の笑みを向けた



そんなチチに、悟空は不意打ちのキスをした


それは、優しいキスとは到底いえない、荒々しいキスだった




これまでの時間を埋め尽くすかのような・・・




激しいキスだけど、甘いキスだった





でも、チチは涙を流した・・・





これが最期だと言われているような気がして、悲しくなったのだ





そして、悟空は唇をそっと離した


「チチ・・・ごめんな・・・」


そういって、チチを強く抱きしめた


「悟空さ・・・愛してるだ・・・」


そういって、そっと抱きしめ返した







強く、お互いの体温を感じながら・・・


                                                              




そして、気がついたら、チチはベッドの上に眠っていた





夢だったのかと思い、昨日の夜、悟空と過ごした木の影に近寄った




だが、あれは夢ではなかった





そこには、悟空の翼から取れた羽根がたくさん落ちていた



そして、チチは一枚の白い羽根を拾うと、羽根にキスを落とした




「悟空さ・・・ありがとう・・・」


チチは天に向かって、静かに言った]



そして、頬には、大きな雫が伝っていた




それを、拭いてくれるかのように、風が優しく吹いた


「・・・もう・・・オラ、泣かねぇだよ・・・」


そういって、久しぶりに満面の笑みを向けた


「・・・さよなら・・・悟空さ・・・」








・・・そして、午後になるとチチは病院へ行った・・・








「悟飯!悟飯ちゃん!お兄ちゃんになるだよ!」


そういって、チチは自分のお腹をさすり、悟飯に最高の笑顔を向けた


「本当なの!お母さん!」


そういって、悟飯は満面の笑みを向けた


「そうだ!今、3週間目だって、お医者様がいってただよ!」


そういって、悟飯に抱きついた


「お兄ちゃんか〜、早く生まれてこないかな!」


そういって、悟飯は恥ずかしがりながらいった


「よかっただな〜元気に生まれてくるだよ!」


そういって、チチはお腹をさすっていった



だが、チチはこんなことを思っていた




(悟空さ・・・ありがとな・・・)




それからチチは泣くことはなかった



強く、強く、生き続けた








これから7年後に逢える事など考えてもおらずに・・・






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