【 Goku × Chichi 】Short ss

□浮気!?
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パオズ山での暮らしを始めてから2ヶ月と少し……




チチは多く残った料理を処理する



いつもならご飯など残るはずもないのだが、ここ数日、悟空が帰宅しないために食事はあまりっぱなしだ


本当なら作らなければいい話なのだがチチにはできなかったのだった




チチは生ごみを見るたびに大きくため息をつく


そして誰に言うでもなく悪態をつく




「もう悟空さの飯なんて作ってやらねぇだ!馬鹿っ…」




いつものように声を響かせていうものの、その返事は返ってこない


そしてチチもこのように言うのだがいつも食事を作ってしまうのだ




チチ自身知っていながらも、悪態を付かずに入られなかった




だが、皿を洗う気分にもなれずにチチはキッチンを去り、リビングのソファへと腰掛ける


そして目の前にある雑誌を手にとって集中力を高める





―――――その時!



扉が大きな音ともに開かれる





チチは瞬時に表情を変えてその場を立ち上がる


そして扉のほうを見つめると、やはり悟空の姿




胴着はボロボロになっていて血や泥がこびり付いていた


だが、悟空は気にすることなくチチを見て言う




「おう、チチ!まだ起きてたんか、たでぇま」




そう悟空は笑顔で言うも、チチは怒りに手を震わす


そしてキッと睨み付ける



「何がたでぇまだべ!何日間、家を留守にしてたと思ってるだ!調子に乗るでねぇだ」



そう怒鳴りつけると悟空は冷や汗を掻き、一歩後退る


だが、チチを見つめながら、落ち着けって、という



その言葉にチチは怒り、さらに強く睨み付ける



「何が落ち着けだべ!おめぇがそんなこと言える立場だか!」



「だって仕方ねぇだろ?修行してたらいつの間にか……」



「言い訳なんて聞き飽きたべ!今日は家にいれねぇだ!外で反省してるだっ!」



「えっ……じゃあ飯は…?」



「飯なんてあるわけねぇべ!馬鹿!」




チチは一方的に怒鳴りつけると、悟空に背を向けようとする



だが、目をそらす時、悟空の首元に薄くなったキスマーク


それを目にすると、チチは硬直してしまう



悟空はピクリとも動かなくなったチチに不思議に思い、声をかける




「………チチ?どうかしたんか?」



そういってチチの肩に触れようとする


だが、睨み付けられて、小首をかしげる




――――と


チチは悟空の頬を力強く平手打ちをする



悟空は身構えていなかったために交わすこともできずに弾き飛ばされる




だが、体制を立て直して片腕で床を飛び上がって上手く着地する



けれど、チチは悟空を強くにらみつけて一言




「浮気しておいて、勝手にさわらねぇでけれ……馬鹿…もう帰ってこなくてもいいだ」




チチは怒鳴りつけるのではなく、冷たい声で言い放つ


そして、チチはその場を去って2階へと駆け上っていく



悟空に気づかれぬよう、涙を流しながら………




だが、悟空は叩かれた意味がわからずにいたが、まずい、ということだけは体中で感じる


そして、やべぇな、とつぶやきながら、チチの後を追う




高速移動で階段を駆け上っていくと、チチが寝室の前で扉を開けようとしていた


悟空はチチに声をかける



「……チチ…何で怒ってんだ?」



なるべく静かな声で話しかける


すると、チチは驚いたのか大きく目を見開いて、後退る



だが、すぐににらみつけて言う



「近づくでねぇ!他の女に触った手で触られたくなんてねぇだ」



「…?他の女に触った?おら、触ってなんかねぇぞ?」



「惚けるでねぇだ!証拠に首に痣残ってるの、わかんねぇだか!?」




チチは自分の口で言うだけで胸が張り裂けそうになる


そして涙が目にたまるものの、必死に涙を押さえ込む



けれど、悟空は小さく笑って痣に触れる




「この痣、誰がつけたか教えてやろうか?」



悟空は平然と言いのけて笑顔で言う


すると、チチは顔をそらして思い当たる名前を言う




「どうせ、ブルマさだべ!おらなんかよりもずっと綺麗だもんな!」




チチは胸の痛みに堪えながら、強がったように言う



だが、悟空は小さく笑ってチチに歩み寄る


チチは後ろへと下がるものの、背後には壁があって追い込まれる



そして、悟空はチチに逃げられないように、両手を壁につける




「……ブルマがおめぇより綺麗かどうかはわかんねぇけどさ…これつけたの…おめぇだぞ?」



「えっ……?」



「おめぇがつけたのに覚えてねぇのか?」



「嘘だべ……?」




チチは恥ずかしさに頬を真っ赤に染める



そして悟空を見上げると、自分が叩いてしまった頬に触れる


そこはあまり赤くはなっていなかったものの、熱は持っていた




「……悟空さ…おらの勘違いで叩いちまってすまねぇ……」



「平気だって……あんま痛くなかったしな」




そうやって悟空は小さく笑う


すると、チチは軽くにらみつけて、頬を引っ張りつねる




「ぃ……チチ、痛ぇって……」



「ほら、痛いんだべ?…さっきはもっと強く叩いたんだから、痛かったはずだべ」




そういうと、チチはパッと悟空の頬を離す


そして、チチは小さく笑うと、悟空を見つめる



すると、悟空もまっすぐに見詰めて、名前を呼び合うと、口付ける




そしてすぐに唇を離すと、鼻先が擦れ合う距離で見つめると二人一緒に小さく笑う






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