【 Goku × Chichi 】Short ss

□希望の星、地球
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【希望の星、地球】


惑星ライア



一人の男が惑星ライアの住民の命を奪っていた


その一人の男の名は「カカロット」



カカロットは煙の舞う中、スカウターという生命反応を感知できる機械を使い
生きているものをいるかどうか確かめていた


―――ピピピピピッ―――


と機械音がなるとそのスカウターには生命反応がないことを感知・・・



カカロットはその表示を見ると一息ついて通信ボタンに切り替えると
カカロットの生まれの星、惑星ベジータへと連絡を取った


その通信はすぐにつながるとカカロットは疲れきったような声で


「任務終了・・・直ちに惑星ベジータに出発する」


と言うと、カカロットの耳越しでは


『わかった・・・フリーザ様に報告しておく』


とそう言った



「報告よろしく・・・それでは・・・」


と言うと、通信機を切った



とほぼ同時に


―――ピピッ―――


とスカウターから危険反応が出ると生命反応が自分の真後ろに反応していた



そしてカカロットが振り返るよりも前に相手は気弾を放ち
カカロットを遠くに不安定に立っているビルへと飛ばした


――――ダンッッ!――――


とカカロットがビルに叩きつけられた音とともに
ビルが足元から崩れていった



すると気を放ったものは低い声で笑い


「貴様のような残忍なサイヤ人など滅びろ」


と言ってもう一度、気を手のひらに集中し始めた



カカロットは瓦礫の中に埋まっていたが気を爆発させて
瓦礫を粉々に破壊して空へ浮かび上がった


そしてスカウターで生命反応のする信号を探した


―――ピピピッッ!―――


と生面反応をキャッチするとカカロットはそちらへと視線をやった



すると気を集中していることに気づき一瞬で切り替えると


「!はっ・・・!」


と声を上げると両手にためた気をお互いに放った



だがその気功波は打ち合いになるどころか相手の気はカカロットの気に飲み込まれ
相手に直撃した


「くそ〜〜〜っ!サイヤ人め〜〜っ!」

と相手は叫ぶと粉々に散った



カカロットは相手がいたところに降り立つと


「・・・本当・・・サイヤ人は最低だよな」


と言ってその場へと寝転がった



そして空を見上げるとカカロットの気持ちとは裏腹に
青く澄んでいる空がどこまでも広がっていた



カカロットは空を見上げながら小さく笑うと


「・・・・・・サイヤ人として生きんのやめっかな・・・」


と呟くと脳裏には一つの星が浮かんだ



だがカカロットは小さく笑うとその場を起き上がり


「・・・制圧は終わったことだし帰っか!」


と言うと胸元の戦闘服から宇宙ポッドを操作できる操作機を取り出すと
暗証番号を入力すると自分専用の宇宙船を呼んだ


来るまでの時間は最低でも5分は掛かるため
カカロットは通信設定に切り替えると惑星ベジータではなく、自分の彼女であるチチに連絡を取った


だがチチの場合はすぐに通信がつながるのではなく
少し経った頃に通信がつながった


「カカさだべ!?単独制圧だって言ってたけど大怪我してねぇか!?怪我して歩けなくなってねぇか!?」


とカカロットに話せる隙がないほどに言葉を並べた



カカロットは苦笑いをしながら


「落ち着けって・・・疲れてっけど怪我はそんなにしてねぇから・・・」


と声をかけるとチチは安心したのか小さなため息をついて落ち着いた



「本当に大丈夫なんだべな?それでカカさは任務終わっただか?」


「あぁ・・・一応終わったと思うけど、さっきも終わったと思ってて油断したらさ、攻撃された・・・」


「!だったらやっぱ怪我してるでねぇだか!?大変ならおら、今すぐにむかうだぞ?」


と心配して焦ったように声を上げた



するとカカロットは小さく笑って


「怪我は本当に平気だけどさ、こっちに来てくんねぇか?」


とカカロットは珍しくチチを呼んだ



いつもならチチが来ると言っても絶対に来るな!と言って必ず来させないのだ


だがカカロットは冗談ではなく本気で来いと言った



チチは少し声色を変えて


「カカさ?頭でも打っただか?」


「・・・戦闘なんだし多少は打ってだろうけど俺、本気で言ってるぞ」


「・・・おら、本当に行っても怒んねぇだか?」


と少し不安な声に変わった



だがカカロットは怒る気はまったくないしこれまでにチチに怒ったこともなかった



「怒るわけねぇだろ?ちょっとチチに話あっから来てもらいてぇんだ」


「話・・・だか?何の話だ?」


「きてから言う・・・後さ、生活に必要なものはさ少しだけもっちきてくれっか?」


「何だべ?いきなり・・・カカさ家出する気だか?」


「・・・俺だけじゃなくてチチのもんも持ってくんだぞ?」


というとチチは素っ頓狂な声を上げた



「カカさの荷物だけじゃねぇだか?」


「当たりめぇだろ?おらの荷物だけじゃ暮らせねぇじゃんか?」


「暮らす・・・ってどういうことだべ?」


「・・・後は来た後に話すからさ、とりあえず、服だけ持ってきてくれ・・・金とかもいらねぇからさ」


「分かっただ・・・だけど服って言ったってどうやって持って行くだ?結構荷物あるから皆に見つかっちまうだよ?」


「大丈夫だろ?俺が前に持ってた、収縮装置にしまえば良いだろ?」


と言うと小さく笑った



カカロットが言った収縮装置とは全ての荷物を小さくできることができ
時間設定をして時間が経過すると元のサイズに戻せる仕組みになっているものだった


その装置はカカロットが違う星の文明が進んだ星に制圧に行ったときに
たまたま拾ってきたものだった


それをカカロットはいつか使えるかもしれないということで
チチに渡していたのだった



チチはカカロットに言われたものを引き出しから取り出すと


「あっただよ!これって時間とサイズを設定して張り付ければ良いだけだべ?」


「・・・?あぁ・・・多分そうだったと思うけど・・・」


「じゃあ確かめて見るだな?」


「あぁ・・・」


と返事を返すとチチは設定しているのか機会音が聞こえ始めた




すると耳越しでは高い声で


「きゃっ!」


と短く声が発せられた



するとカカロットはすぐさまに体を起こして


「チチ!?大丈夫か!?」


と他の星のもので危険なものだったらということが脳裏によぎった



だがチチは少し笑ったように


「大丈夫だべ、いきなり小さくなったから驚いただけだべ!それじゃあ全部しまったら行くだな?」


「あぁ・・・すぐ近くの星だから一時間くれぇでつくと思うから」


「分かっただ、ところで惑星なんていうだ?」


「ライアだ・・・惑星ライア、じゃあ早く来てくれよ」


「わかってるべ!んじゃあな」



―――ツーッ・・・プツッ―――



とスカウターの通信が切れた



するとカカロットは辺りを見渡すともうすでに自分の宇宙ポッドはついていた


カカロットは腕を頭の後ろに置くと再び、その場に寝転がった




それからずっと空を見上げていると無心になった



何も考えることはなくただただぽつんと寝転がっている状態になり
空を見つめていると時間が過ぎてゆくのは本当にあっという間で・・・



するとしばらく無心状態になっているとカカロットのスカウターが
音を立てて通信が入った



カカロットは無心を抜けると通信ボタンを押し


「チチか?」


「ちげぇよ・・・俺だ」


とカカロットに良く似た声で返事をした



するとカカロットは小さなため息をついて


「何だ・・・父ちゃんか・・・」


「何だとは何だてめぇ・・・親に向かって言ってんじゃねぇ」


「分かったよ・・・んで?なんか用があって連絡したんだろ?何だ?」


というとカカロットの父親であるバーダックは咳払いをした



「カカロット・・・この星出んのか?」


「・・・!な・・・何言ってんだよ・・・」


とカカロットは少し動揺をして答えた



だがバーダックは低い声で笑うと


「相変わらず、お前は変わりやすいな」


「・・・父ちゃんに言われたくねぇよ・・・それより何で知ってんだ?」


「チチが言ってた・・・あいつん家に行ったらよ、すげぇ荷物がまとめてあってそれを小さくしてるとこ見た・・・」


「・・・・・・そっか・・・じゃあ隠す必要ねぇな・・・父ちゃんが見たとおりだ」


「何でだ?」


とバーダックは少し低い声で言った




だがカカロットは小さく笑うと


「・・・サイヤ人として生きるんじゃなくてさ、普通の人間として、男として暮らしてぇって思ったからだよ」


というとバーダックは低い声で笑うと


「ふっ・・・てめぇらしくねぇこというじゃねぇか・・・」


「だよな・・・俺もおかしいんじゃねぇかって思うけどよ・・・けど本気なんだ」


「俺はかまわねぇけどよ、それよりどこで暮らすつもりだ?」


「・・・・・・できるだけフリーザの支配地から離れてて良い環境つったら地球だろ?父ちゃん知ってっか?」


とカカロットは少しだけ声のトーンを上げていった



「・・・・・・地球・・・・・・確かに聞いたことはある・・・あの星は文明はそこそこだが美しい星だとな」


「だろ?俺とチチには地球が合ってるって思ったんだ・・・あそこならフリーザの支配下を抜けられるし戦いや殺しなんてめったにねぇ・・・」


「そうか・・・じゃあ俺とお前が会うこともねぇだろうな・・・」


と静かな声で言った



するとカカロットは苦笑いをして


「わりぃな・・・もう戻る気ねぇから、会えねぇかもしんねぇな」


「ふっ・・・お前がいなくなると清々するな・・・」


とバーダックは笑うとカカロットもつられるかのように笑った



「なぁ、父ちゃん・・・これが俺の最後のわがままだから聞いてくんねぇかな?」


「・・・・・・何だ?」


「あのさ・・・もし俺とチチがいないことが見つかってフリーザ軍が攻めてきたらさチチだけ脱出させるから父ちゃんがその星まで迎えに来てやってくれ・・・スカウターでチチの気探ってさ・・・ダメかな?」


「・・・お前・・・そうなったら死ぬ気だろ?」


「フリーザにはかなわねぇかんな・・・そん時はどうなるかわかんねぇや・・・」


と苦笑いをしていた



バーダックも小さく笑うと


「その頼みは引き受けるつもりはない・・・だが、もし本当にそうなれば仕方ないから引き受けてやる・・・だがそうなる前に俺が記憶を操れる人に異星人交渉してお前とチチの存在を記憶から消してもらう・・・・・・」


「でもそんなことしたら父ちゃんや兄ちゃんからも俺の記憶とか無くなるんじゃねぇの?」


「・・・・・・・・・・・あぁ・・・消えるな・・・・・・けどお前はチチと暮らしてぇんだろ?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・」


「だったらそのくらい我慢することだな・・・・・・」


「でも・・・俺・・・」


「チチと幸せにな・・・・・・・父親らしいことできなかったからこれが最後にできる父親の仕事だと思ってる・・・じゃあな・・・カカロット」


とカカロットは言葉を遮られた上に通信は勝手に切られてしまった



カカロットはもう一度、連絡を取ろうと思ったが


『これが最後にできる父親の仕事だと思ってる』


と言う言葉が頭の中で何度もリピートされて通信を繋ぐことができなかった





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