【 Goku × Chichi 】Short ss

□優しい
1ページ/1ページ

「おはよう、悟空さ」


チチはキッチンから顔を覗かせて
悟空に挨拶をした



悟空は上半身裸の格好で寝ぼけ眼の目を擦りながら

「おう・・・おはよ」


と言い、大きな欠伸をしてシャワー室に入っていった



チチは悟空の背中を見送ると
食事の用意を再開した



チチは食事をテーブルに並べ終わると
寝室に悟空の服を取りに行った



取りに行った後、シャワーに行き


「悟空さ〜!服置いておくだよ〜」


とシャワーの音にかき消されないように
大声で言った



「おう!サンキュー!」


と悟空も大きな声で言った



チチは悟空の返事を聞くと、微笑み
シャワー室を後にした



チチは悟空が上がるのを待とうと席に着くと
すぐにシャワー室が開いた




だが、チチは悟空の姿を見てうな垂れた




悟空は上半身裸で下着しか履いていない状態で
金髪の髪の毛の水滴を豪快にバスタオルで拭き取っていた



チチはその姿を見ると席から立ち上がり


「悟空さ・・・何度言ったら分かるだ・・・ちゃんと服は着てけろ・・・でないと風邪引いちまうべ?」


とチチはシャワー室から悟空の服を取り出し
悟空に手渡した



すると、悟空は困ったように笑いながら受け取ると


「でもよ・・・風呂上りに服着っと、汗掻いちまうんだ」


とバスタオルを首にかけた



チチはいつもなら強く言って言い聞かせていたが
今日のチチは優しく笑って


「じゃあ、冷えてきたらちゃんと服着るだぞ?」


とチチは悟空を縛ることなく、優しく言った



すると悟空は


「へっ!?」


と素っ頓狂な声を出した



チチは不思議そうに首を傾げると悟空が顔を近づけた


チチはギュッと目を瞑ったがキスではなく
おでこに悟空のおでこをくっつけていた




悟空はおでこを離し首をかしげ


「熱はねぇしな〜・・・どうしちまったんだ?チチ・・・」


と悟空は自分の顎に手を置き考えながらチチに尋ねた



チチは顔を真っ赤にしながら、悟空に背を向け、腕を組み


「そういうわけじゃねぇだ!おらは悟空さに怒ってばっかいたから出来るだけのことは許してやろうと思ってるだけだ!!」


と口を膨らませ、耳まで赤くしながら言うと
悟空は急に笑い出した




すると、チチは眉間に皺を寄せながら悟空をチラッと見ると
悟空は目に涙を溜めながら、可笑しそうに笑っていた




チチは益々、膨れて悟空の方へ振り返った




すると、不意打ちにキスをされた



チチは真っ赤なタコのようになりながら


「な・・・何するだ!悟空さ!」



と怒鳴ると悟空は口端を緩めながら


「さっきチチの熱測ったとき、チチはこうされると思って目瞑ったんだろ?」


と悟空は笑いを耐えながらチチに言った



チチはさらに真っ赤になり


「もういいだ!悟空さには厳しくしてやるだ!!」



と怒鳴って悟空に背を向けると
悟空はチチの背中に寄りかかるように抱きしめると


「悪かったって・・・許してくれよ・・・」


と低い声で耳元で囁いた



すると、チチは意地を張っているのがくだらないように思えて小さく笑うと


「もういいだよ・・・許してやるだ・・・」


と悟空の方に振り返った



悟空は真剣な目でチチを見つめると


「何で悟飯、置いてきたかわかるか?」


「・・・そんなの分かるわけねぇだよ・・・大体、悟空さが考えることはよくわからねぇだ」


と困ったように笑った



すると、悟空はチチの肩を掴んで


「思う存分、こうできるようにするためだ・・・」


そういい終わると、悟空は荒々しく口付けた



舌を入れ、チチの中を暴れまわっていると
チチは全ての唾液を飲み込むことが出来ずに口端から唾液が伝った



チチは息をする暇もなくて、悟空の胸板を叩いた




だが、悟空は開放してくれずに口付けを続けた


チチは息苦しさに意識が朦朧とし始めると
悟空はゆっくりと唇を解放した




すると、チチは力なく倒れそうになったが
悟空が優しく受け止め、抱きしめた


「わりぃ・・・つい夢中になっちまって・・・」



そういうと、チチは肩で息をしながら


「・・・朝から・・・やめてけれ・・・昨日だって・・・悟空さが・・・その姿だと・・おらがもたねぇだ・・・」


と息継ぎをしながら言った



悟空はチチを離すと


「大丈夫か?」


とチチの俯いている顔を見た



チチの顔は目に涙がたまっていて顔が真っ赤で
すごく辛そうに息継ぎをしていた



そして、数分息継ぎをしているとだんだんと落ち着き


「もう、平気だ・・・さっ!飯食べるだよ?」


とチチは頬を赤くしたまま、言うと
悟空は軽く微笑み、席に着いた






それから数十分後





二人は食事を食べチチは後片付け
悟空はソファに座ってチチの姿を見ていた



チチは数分で大量の皿洗いを終え
洗濯物に取り掛かった



悟空はチチの仕事の早さに驚きながら見ていると
チチは洗濯を終えて、悟空に話しかけた


「悟空さ?今日、散歩にいけるだか?」



すると悟空は微笑み


「おう・・・暇だし、行くか!」


と悟空は張り切って立ち上がった



チチも嬉しそうな悟空を見ると微笑み


「じゃあ、昼飯の分、弁当に詰めるから待っててけれな?」


とチチはキッチンに入った



「おう!」


そう言うと悟空は空中で一回転するとうまく着地して
嬉しそうに体を動かした




チチは数分で弁当に詰めてたくさんの弁当箱が入った
バックを二つ持ち、悟空がいるリビングに顔を出した




悟空は逆立ちをして腕立てをしながら待っていると


「悟空さ〜、用意終わっただよ〜」



とチチの声が聞こえると腕立てを中断し、宙返りして


「おう・・・今行く」


そう言って悟空はチチのもとにいくと
チチの両手にぶら下げていたバックを持った



「ありがとっ、悟空さ」


チチは微笑んで悟空の腕に自分の腕を絡めた



悟空は微笑むと


「じゃあ、行くか!」


そう言って悟空は外へ出ると
大きく清々しい綺麗な空気を吸い込んだ



チチも大きく新しい酸素を吸い込み


「今日はどこに行くだ?」



悟空はチチを見て


「今日はな、オラしか知らない場所にチチを連れてってやる」


「ホントだか!?」


チチは嬉しそうに微笑んだ



悟空もチチの嬉しそうな笑みにつられて笑うと


「おう・・・だから、皆に内緒だぞ?悟飯にもな」


「悟飯ちゃんにもか・・・うん!分かっただ!じゃあおらたちだけの秘密な?」


そう言ってチチは優しく嬉しそうに微笑んでいた



「おう、オラとチチの秘密だ・・・ちっと遠いから飛んでくな」


悟空はチチを抱えて山を下り、大きな林に入った



林に入ると悟空は鼻を使って匂いを嗅いでいた


「あっちだな・・・」


悟空は独り言を言い飛んだ






数分後・・・





チチは無言だったが口を開いた


「花の香りがするだな・・・」


チチは優しそうに微笑み独り言のように言った



悟空はその言葉に軽く微笑むと
少し、スピードを上げると一分もせずにその場所へついた




チチは目を見開き足を地に付けると


「あぁ〜・・・」


とチチは嬉しそうに驚いたように声を上げた





そこには一面に花が広がっており、
赤やピンク、オレンジや黄色、青や紫、
様々な色の花が綺麗に広がっていた





悟空はチチの嬉しそうな笑顔に微笑み
バックを置くと、チチの肩を引き寄せた



すると、チチは悟空の肩に頭を乗せ


「ありがとう・・・おら嬉しいだ・・・」


そう言って微笑んで涙を流した



悟空はそっとチチの涙を拭き取り


「ここさ・・・チチに見せておきたかったんだ・・・戦いばっかりで見せられる暇、なかったけどよ・・・やっと見せられたな」


と満足そうに微笑むとチチを優しく抱きしめた



すると、チチも抱きしめ返して


「嬉しいだ・・・おらが花を好きなの・・・覚えててくれただな」


と涙を止め、嬉しそうに微笑んだ



「あったりめぇだろ・・・」


そう言ってチチの髪の毛を梳いた




そして、体を離すと軽くキスをして
チチは花の上に寝転がった




悟空もチチの手を握り、チチの隣に寝転がった




悟空はもう片方の手でピンク色の花を取ると
チチの耳元に飾った



「似合うだか?」


チチは花を触りながら微笑んだ



「あぁ・・・綺麗だ・・・」


そう言ってチチに口付けた



チチは恥かしそうに笑うと


「綺麗なんて言葉・・・悟空さが言うには珍しいだな・・・?」


チチがそう言うと悟空は地に頭を着け、寝転がった



「今までチチに言えなかっただけだ・・・」


悟空は片腕を頭の後ろに置き、枕にした



「なして今までいえなかっただ?」


「照れくさかったし、オラには似合わねぇしな」


そう言うと少しの沈黙が続いた




だが・・・




「今日の悟空さ・・・何か変だ」


「何がだ・・・」


悟空は空を見上げていた目をチチに向けた



すると、チチは静かに涙を流し空を見上げていた



「優し過ぎるだ・・・今日だけじゃないだ・・・悟飯ちゃんを置いてきた後から優しくなっただ」


と小さな声で囁くそうに言った



チチはゆっくりと目を閉じると小さな寝息を立て始めた




悟空はチチの静かな涙に見惚れて何もいえないまま
チチの寝顔を見た


「優しい・・・か・・・かもしんねぇな・・・」


そう言ってチチを優しく抱きしめた






悟空もゆっくりと目を閉じて眠りについた










------------------

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ