【 Goku × Chichi 】Long ss

□友情
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―――体育の授業中―――



三年生との合同授業の時間


女子はバレーボール


男子はバスケ


それぞれに別れてウォーミングアップや準備体操などをやり終わると
大体が試合をすることに決まっていた


だが、チチは試合などといっている場合ではなかった


なぜなら、男子の方ばかりを気にしていてボールを取るどころか、たまにボールが当たったりしてしまっていた


「・・・チチさん、少し休んでたらどう?」


体育専門の先生がチチの体調を心配して気にかけてきた



だが、チチは首を左右に振ると


「このくらい大丈夫です、心配かけてしまってすみません」


チチは軽くお辞儀を済ませるとチームの中へと入っていった



カカロットはたまにチチの視線を感じれば優しく微笑んで・・・


チチはその笑顔に胸が高鳴って・・・



そしてバレーでのチームが交代されるとチチたちのチームは休みが入った


するとチチは即、女子のバレーの試合を見るのではなく、男子のバスケを見つめていた



カカロットはみんなに頼りにされているのか、すぐにボールが回ってきて
ボールが回ってくればほとんどの確立でシュートを決める


チチはその様子に胸を高鳴らせながら見つめていると


「チチ、誰見てるの?」


と保健室にいるはずのブルマが隣にいた



チチは驚いてブルマを見つめ


「どうして?保健室にいるんじゃなかったの?」


「・・・あれね、べジータに呼ばれたから言ったの、嘘ついてごめんね」


ブルマは苦笑いをして誤る



するとチチはブルマから視線をはずして再びカカロットの姿を目で追いながら


「別に誤らなくてもいいよ」


「・・・ありがとう、それで誰を応援してるの?」


そう尋ねられるとチチは内心ではなんて答えようかと焦っていたものの
ブルマには悟られぬように冷静な振りをした


「別に誰なんて決まってないよ、ただあんなに熱中していてすごいなぁって思っただけ」


「・・・チチ、 あなた嘘ついてるでしょ?」


「えっ・・・?」  


チチは少しだけ焦るように聞き返した



ブルマは全てを知っているかのように不敵に笑い


「だって恋しちゃってます、って感じの表情よ?好きな人でもいるんでしょ?」


「・・・そんなことないよ」


チチは全てを見透かされているのではないかと思いながら否定を繰り返した



だが、ブルマはしつこく食って掛かってきて


「チチ、嘘は駄目よ、嘘は・・・で、誰なの?」


チチは小さなため息を吐くとこれ以上は嘘をついても無駄だと思い
言う決心を決めると、一呼吸置いた



そして大きく息を吸うとブルマのブルーの瞳を見つめた


「・・・ブルマ、誰にも言わないでね」


「もちろんよ、私とチチの仲だもの!絶対に言わないわ!」


「・・・実は恋なのかはわからないんだけどね、先輩を見てるとすっごくドキドキするの」


「・・・先輩・・・?」


「そう、えーっと名前は・・・」


チチは名前を明かすのに戸惑うとブルマはチチが言った言葉を繰り返し尋ねてきた


すると、チチはカカロットのほうをチラッと見ると、ブルマもチチの視線を追った


そこには男子と楽しそうに話しながら休憩を取っているカカロットの姿・・・



ブルマは大きい瞳をさらに見開かせると


「・・・もしかしてカカロット先輩?」


「・・・・・・ぅ、うん・・・」


チチは自分でもわかるほどに真っ赤になっていて・・・



ブルマは少し驚いたものの、そっか〜、と微笑みながらチチを見ていた



「・・・ねぇ、誰にも言わないでよ、絶対だよ」


チチはブルマに念を押した



「わかってるって・・・それにしてもチチって意外な人を好きになるのね」


「どういう意味?」


「いや〜・・・あいつって不良仲間でしょ?チチって不良とか嫌いそうじゃない?だから意外だなぁとおもってさ・・・」


「私も最初は不良だと思って嫌だったけど、先輩のこと知っていくたびにさ、何か優しくて温かい人だったから不良とは違うなぁって感じたの・・・」


チチは少し照れたように言った



ブルマはチチの笑顔をしばし見つめていると小さく笑って


「・・・今のチチ・・・すごくいいわよ、キラキラしてる・・・」


「・・・そうかな?」


「うん、前のチチも可愛かったけどね、今はもっと可愛くなって・・・いいわねぇ・・・やっぱり女の子は恋をすると変わるのね」


ブルマは微笑みながらチチを見つめていた



するとチチも俯いていた顔を上げてブルマを見つめると
お互いに嬉しそうに微笑んだ



ブルマはチチの輝く姿を自分のことのように嬉しがるように・・・


・・・そしてチチはカカロットへの思いを打ち明けられる友達ができた喜びと、ブルマの優しさに・・・



二人は嬉しそうに微笑み合ったのだった

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