【 Goku × Chichi 】Long ss

□久し振り
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―――あれから数日―――



あの日からもまた会わない日が続いた


そもそも、クラスも教えてもいない仲で会えるはずもなく・・・

そんな数日を過ごしていたある日



午後の授業の五時限目・・・


今日の五時限目は三年生との合同授業

一ヶ月に一度だけの合同授業であった


チチは体育館までブルマと行くはずであったが体調が悪くなり、ブルマは保健室で休んでいる


チチは体育着に着替えた後、一人で体育館へと急いだ


そして授業が始まる15分ほど前・・・


チチは第二校舎にある体育館へ向かっている途中の桜の木の下でカカロットを見つけた


だが、柄の悪い男子と話しているため、チチは素通りしようと思っていた

けど、そう簡単にいくはずもなく・・・


「・・・おっ!チチじゃねぇか!?久しぶりだな」


と手を振って、チチの元へと駆けてきた


チチは気づかれたしまっては遅いと判断し振り返る


すると、カカロットの姿は制服ではなく、体育着を着用していた


「・・・カカロット先輩も次、体育なの?」


チチは疑問に思ったことを素直に言った


カカロットは自分の体育着を見ると、チチの体育着を見た


「チチもか?じゃあ合同授業ってチチのクラスと同じなんか?」


「そうだと思うけど、男女別だから」


「あっ、そういえばそうだったな」


カカロットは頭を掻き、小さく笑った


だが、チチの足元に目をやり


「チチって足、細ぇんだな」


「へっ!?」


「いつもスカート長ぇから見えなかったけど、女子ってブルマだろ?だから女の足の細さ見えんだろ?」


その言葉を聞くと、チチの自分の足元を見た


すると、頬を染めて、足元をなるべく体育着で隠した


「カカロット先輩!?女子のどこ見てるの!変態!!」


チチは真っ赤になり、睨み付けながらいった


カカロットはチチの言葉に苦笑いをし


「おい、チチ・・・変態はねぇだろ?」


「変態だべ!?どスケベ!!」


「どスケベって・・・俺はそんなに変態じゃねぇけど」


カカロットはほぼから笑いをしていた



チチは頬を真っ赤に染めながらカカロットに背を向けると
チラッとカカロットを盗み見た


すると、カカロットは小首を傾げてチチを見ていた


「そういえばさ、さっき、方便使わなかった?」


「うそっ!私、言葉おかしくなってた!?」


チチはカカロットの方へ向き直り焦りながら尋ねた


「・・・あぁ、チチってこの辺に住んでんじゃねぇの?」


「今はこの辺だけど、一年前まではこんな都会には来たことなかった」


「へぇ、意外だな、俺、考えたこともなかった」


「・・・だから、今のことは忘れてね?」


「何で忘れなきゃなんねぇんだ?」


「だって、方便使ってたら都会のほうじゃ変に感じるから直さなきゃって思ってるの、だから忘れて」


チチは頼み込むようにいった



だが、カカロットは面白そうに笑っていて


「じゃあ忘れてやんねぇ」


そう答えを出した



するとチチは俯いていた顔を上げてカカロットを見上げた


「何で?私、せっかく頑張ろうとしてるんだから忘れてくれたっていいでしょ!?」


「頑張るのはいいけどさ、方便を使うチチ、以外で可愛かったし忘れるのだけは嫌だ」


カカロットは小さく笑いながら言った



チチは可愛いという言葉に反応してしまって顔を真っ赤にすると頬を両手で押さえた


「可愛い!?ってさっきから私をからかってるでしょ!?やめてよ!」


「・・・からかってねぇよ、俺、嘘つかねぇし、本当のことしか言わねぇぞ?」


カカロットは平然と言いのけた



だが、チチは益々恥ずかしくなるばかりでそっぽを向くと


「もう、勝手にしたら!それより授業に遅刻しちゃうよ」


チチはうまく話をそらすと、時間を確認する



すると、授業時間まで後、一分をきっていた


「先輩!本当に時間やばいよ、後一分もない!」


チチは焦ったように振り返り言うと、カカロットも自分の腕時計を確認した


「やべぇな!このままじゃ叱られっちまう!」


「早く行こうよ」


そういうと、チチは駆け足で体育館へと向かった



だが、カカロットはチチを追い越すと、チチの手を握り


「急げ、急げ!」


と焦らすように走った


チチは手を握られた瞬間・・・

胸が高鳴るようにドキドキしていた


だが、そんな乙女心はそう長く続くはずもなく・・・

チチはカカロットの足の速さについていくのがやっとになり、何も考えられなくなった


もともと、チチは運動分野が得意なわけでもないために足の速いカカロットについていけるはずもなかったのだった


それからチャイムとほぼ同時に体育館へつくとチチは息切れ状態・・・


カカロットは腕を組んでチチの姿を見ていると、小さく首をかしげた


「・・・チチ、あんだけの距離で疲れたんか?」


とカカロットは息切れどころか、余裕の笑顔で笑っていた



チチは肩で息を整えながら酸素を肺へ送り込んで数分すると
何とか息苦しさからは開放された


「・・・先輩は男だし、それに私は運動が得意でもないの、だからあんな速いスピードについていけるはずもないでしょ!?」


「でも、あのスピードじゃ半分も出してねぇぞ?」


「半分も出してないって!嘘でしょ!!」


「だから俺は嘘つかねぇって言ったろ?」


チチは少しの間頭の整理をし続けていると、カカロットがチチの頭の上に手を置いた


「そんなことはいいから、また後でな」


そういうと、チチの長い髪に指を滑らせた


「それじゃ、授業始まっからいくな」


「ぅん、またあとで・・・ね」


そういうと、無言で背を向けるカカロットにチチは小さく手を振った



すると、チチたちのクラスも先生に呼ばれ、授業を開始したのだった

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