【 Goku × Chichi 】Short ss

□保健室
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【二人きりの保健室】




―――龍珠高等学校―――




カカロットは今朝、学校に来たときからいつものような元気はなく
顔色が悪く、ぼーっとしていた



授業中のときは必ずと言っていいほどにチチに話しかけて先生に怒られるはずなのだが
今日はチチに話しかけるどころか、机に伏せて大人しくしていた




さすがにチチもカカロットのことが心配になり始めていると



「先生、カカロットさの体調が優れないそうなので保健室に行ってきますね」



と授業中ながらも先生に言った




するとカカロットはチチを見上げて



「・・・チチ・・・俺、平気だから保健室なんていかねぇから・・・」



「ダメだ!顔色悪いし、大人しいし気味悪いだ」



「気味悪いって・・・チチ・・・もう少し言葉選べよ」



カカロットは元気がなさそうに笑った




先生をはじめ、生徒たちも二人のやり取りを見ていると



「・・・いいよ、行ってくるといいわ」



と先生が小さく笑って言った




チチは先生に軽く頭を下げるとカカロットを椅子から立ち上がらせて



「ほら、早く行くだ」



「こんなの少し休めば治っから心配・・・」



「じゃあ、その少しの間は保健室で過ごすだ!」



チチはカカロットの言葉を遮り言うとカカロットの腕を引いて歩き出した





カカロットはチチに引っ張られるように連れられながら



「・・・チチって本当に心配性だよな・・・」



「そりゃ、倒れられでもしたら困るからな」



「倒れられたら困るじゃなくて俺が好きだから心配になるだけだろ?」



と意地悪そうに笑みを作りながら言った





するとチチは少し頬を染める



「自惚れるでねぇ!おらの目の前で倒れられたら大変なだけだべ」



と強く言い放ったカカロットは小さく笑うと



「素直じゃねぇな・・・そろそろ俺が好きって認めちまえばいいのに・・・なんでそんなに意地張んだ?」



「おらは素直だべ、それに意地なんて張ってねぇし本当のことしかいわねぇもん」



「・・・ふ〜ん、まぁいいや!どうせ、すぐ素直にさせてやっから」



「だからおらは素直だって言ってるべ!?何度言わせるだ」



など言葉のキャッチボールのように言い合っていたが保健室の前についた




チチは保健室の前に着くと扉をノックし、開けながら



「失礼しま〜す」



と言って入ったものの、保健室には先生の姿はなく人の気配もなかった





カカロットとチチは顔を見合わせると



「もしかしてさ・・・出張とか言ってなかったっけ?」



「言ってたような気もするだな・・・」



とチチは困ったように笑うとため息をついて



「仕方ないからおらが看病してやるだよ」



「本当か!?だったら休むのもいいな」



と嬉しそうに笑うと、チチはカカロットの腕を引いて、ベッドのカーテンを開ける




「ここに寝ててな?おらは体温計と水枕作ってくるから」



と笑うとチチはカカロットの腕を放したカカロットはベッドに腰掛けると



「早く来てな」



と一言言うとベッドに寝転がった




チチはカカロットの元を離れると引き出しから体温計を探し出して
水枕を作ると、タオルを取り、枕に綺麗に包んだ



それからカカロットのベッドのカーテンを開けると
急に手首を掴まれ



「・・・キャッ・・・!」



と声を上げると目の前には唇が触れてしまいそうなくらいの近さにカカロットの顔があった



カカロットは先ほどより具合が優れていないのか、頬が上気していて目が虚ろだった




チチは先ほどのことが何があったのか、すぐに理解すると頬を真っ赤にして



「ちょっと、カカロットさ!何やってるだ!どいてけれ」



とカカロットの肩を掴んで押し返したが



「チチ・・・俺、頭割れちまいそうだ・・・」



とつぶやくと、チチの首筋あたりに倒れこんだ




チチは高鳴っていた胸の期待に少しがっかりしたが頭を大きく左右に振って思いを振り切った




そしてカカロットをベッドに寝転がらせると



「まったく・・・無理するでねぇか」



とつぶやくと、眠ってしまっているのか返事は返ってこなかった



チチは水枕をカカロットの頭の後ろへ置くと布団をかけて
ベッドの近くにある椅子へと腰掛けた




そしてカカロットの顔にかかっている金色の髪の毛を払うと、髪の毛に触れて



「不良なんて大っ嫌いって思ってただにカカロットさは優しいし不良仲間とは少し違うんだべな・・・」




そう呟くと、カカロットの髪の毛に触れている腕を退かせようとしただが、
手首を掴まれてカカロットは目を開けると



「やっぱり、チチって俺のこと好きだろ?」



と尋ねてきたチチは大きく目を見開くと驚いて、頬を赤く染めた





「カカさ、起きてただか!?なら声かけてくれればいいべ?」



「声かけようとしたらチチが話し出すからさ・・・それよりさっきの質問、答えろよ?」



「・・・好きなわけねぇべ、何度も言わせるでねぇ!」



そういうと舌を出し、意地悪く笑ったカカロットは少ししゅんっとなり



「・・・ったく、本当素直じゃねぇな、まぁそんなとこも好きなんだけどよ」



と照れるどころか平然と言いのけた





チチは少し頬を染めると



「・・・・・・おらを落してみたかったら本気でかかってくるだな!おら、そう簡単にはおちねぇからな」



そういうとカカロットは嬉しそうに笑い



「じゃあ、俺がずっと思ってればおめぇは落ちるってことだよな!?そう簡単にはって言ったもんな」



「・・・なっ・・・!?」




チチは頬を真っ赤にするとカカロットは笑いながら



「図星・・・」



と呟くように笑うとチチは嘘をつくこともできずに、目をそらした





「勝手に思ってればいいだ!」




と今できるだけの言葉で告げた






二人が両思いになるのはい!!・・・・・・のか?

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