【 Goku × Chichi 】Short ss

□かさなる姿
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【かさなる姿】








――――悟天が生まれてから約四年――――




チチはいつものように夜中に悟空とお揃いの
悟天サイズの胴着を作っていた



できるだけ手で縫っていたが細かい作業のところはミシンを使って縫い
少しずつ作業を進めていった



今日もチチはその作業を繰り返していると
玉結びをしてやっと完成させた


チチは嬉しそうに微笑むと出来上がった服を持ち上げて


「やっと完成しただ」


と言って服を抱きしめた



そしてミシンやら裁縫道具を片付けると
作り上げた服をタンスの中にしまった


だが、下の段のタンスを開けると悟天のより大きいサイズの胴着を見つめると


「・・・悟天が大きくなったら着させてあげられるといいだなぁ」


と呟いてタンスの引き出しを閉めた



そしてチチは真夜中にベッドに横になり就寝した







――――翌日―――



チチはいつものように朝早く起きると今日に限っては目覚めのいい朝で
すっきりと目が覚めていた



するとすぐに体を起こしてタンスの引き出しを開けた


そして昨日作り上げた悟空とお揃いの胴着を取り出して
胴着を持ってそのまま部屋を出た



その後、悟飯や悟天がおきてくるまでに調理を仕上げると


「悟飯、悟天、朝だから起きるだ〜っ!」


と1階から呼びかけた



だが悟飯はすでに起きていたのか


「は〜い、今、悟天起こしたら行きますので待っててください」


と二階から聞こえた



チチは小さく微笑むと


「わかっただ」


と言って会話は終了しチチは出来上がった料理をテーブルに並べ始めた



すると階段から足音が聞こえて


「お母さん・・・おはよ・・・」


と次男の悟天が眠たそうに目を擦りながらリビングへと入ってきた



チチは嬉しそうに笑うと


「悟天ちゃん、起きただな、ちょうどいいとこにきただ、ちょっとこっち来てけれな」


そういうと悟天の手を引っ張ってソファに置いてあった胴着を手に取った



そして悟天の身長に合せてしゃがみこむと悟天の目の前に差し出して


「悟天ちゃん、これ着てくれねぇだか?」


「どうしていつもの服じゃないの?」


と悟天は小首をかしげた



するとチチは嬉しそうに小さく微笑むと


「これはな、おっ父と同じ服なんだべ・・・だから悟天ちゃんにはおっ父のように強く育ってほしいから着てくれるだか?」


と尋ねると悟天は満面の笑みを浮かべて


「うん!僕、お父さんみたいになってみるね!じゃあ着てくるね」


そういうと悟天はチチの手に持たされていたものを受け取ると
浴室へと着替えに行った



チチは微笑みながら悟天の小さな背中を見送ると
ソファに座って悟天がくるのを待っていた



するとすぐに悟天は浴室から出てきてチチは振り返ると
悟天は着方がわからなかったのかアンダーシャツも入れないままでメチャクチャな着方だった


「・・・お母さん・・・これどうやって着るのかわかんなくって」


と無邪気に笑った



チチは小さく微笑むと


「まったく・・・こっちくるだよ」


とチチが招くと悟天は小走りでチチの元へ来た



「悟天、服はなズボンの中に入れて・・・」


とチチは説明をしながら教え込むとしっかりと帯を結んで
一通り説明も終えた



すると悟天は微笑んで


「お母さん、僕お父さんみたいになれてる〜っ?」


と言うとチチは距離を置いて悟天を見つめた



だが、悟天の姿が自分の夫である悟空に重なり


「・・・・・・・悟・・・空さ・・?」


と呟くと自然と一筋の涙が頬を伝った



悟天は驚いて目を見開くと


「お母さん!?どっか痛いの?それとも何か怖いことあった?」


と慌ててチチの元へ駆け寄った



チチは涙を拭いて小さく笑うと


「ごめんな?でも心配しないでも大丈夫だ・・・それより悟天ちゃんは悟空さそっくりだな」


とチチは悟天の頭を優しくなでた



悟天は小さく首をかしげながら


「お母さん・・・本当に平気?」


「んだ!全然平気だべ!」


と笑って見せると悟天も笑って見せて


「そっか!僕お母さんが痛くて泣いてるのかなぁなんて思って・・・じゃあ僕、兄ちゃんにも見せてくるね」


と微笑むと小走りで2階にいる兄の悟飯の元へ行った



チチは嬉しそうに笑うと外へ飛び出した



そして空を見上げると


「悟空さ、悟天ちゃんはぜってぇ悟空さを超えるようないい男にしてみせるだ!」


と満面の笑顔で微笑んですぐに家の中へと入っていった




その後・・・


チチは悟天を直々に鍛えるようになったのだった





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