NOVEL
□どうなるか分かってるよね?
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「ねぇ千鶴ちゃん」
「は、はい」
「僕のこと好き?」
後ろには壁。横には沖田先輩の両手。
前には沖田先輩整いすぎてると言っても過言じゃない綺麗な顔。
だけどその表情はいつもと違う。
ううん。笑顔なのはいつも通りなのだけど、瞳の奥底では私を睨んでいる。
「…す、好きですよ」
愛の言葉をハッキリ言うのは恥ずかしさがあり、少し俯いて答える。
「うん、僕も好きだよ。だけど千鶴ちゃんは本当に僕のこと好きなのかな?」
「え……?」
「だって千鶴ちゃん、みーんなにいい顔するんだもん。さっきだって左之さんに抱きしめられたり土方さんに頭撫でられたり、あと平助君と笑いあってたよね」
私が好きだと言うと沖田先輩はいつもの笑みに戻ったが、すぐにじっと見つめられた。
というより、抱きしめられたり頭撫でられたりとかいつの間に見てたの…!?
私の疑問が分かったかのように、沖田先輩はクスリと笑う。
「だってさ、僕が千鶴ちゃんに会いに行く度に千鶴ちゃんは僕以外とイチャイチャしてるんだもん」
だ、だもん…。
「い、イチャイチャなんて…」
「してたよね?」
私の言い分なんて聞いてくれないようで、悪い子だと叱られている気分。
でも、少しは私の話も聞いてほしい。
「千鶴ちゃんは僕と付き合ってるのに、他の男とベタベタするなんていいと思ってるの?」
「ッ、そんな――」
「僕が千鶴ちゃん以外の女子と2人っきりでも嫌に思わない?」
……先輩が、他の女の人と……。
「…………」
「どう?」
「……なんか、胸の奥がモヤモヤします……」
「うん。千鶴ちゃんは今僕にモヤモヤさせてるんだよ」
もやっとした、上手く言えないけどなんか嫌な気分。そんな気持ちを私は沖田先輩にさせてただなんて……。
「……ごめんなさい」
謝ると沖田先輩は壁につけてた手を離したのでフッと明かりが目に入る。
「いいよ。ただし次は許さないからね。次僕以外の男と仲良くしたら――」
「したら?」
口を噤んだ沖田先輩が気になりコテンと首を傾げた。
すると沖田先輩はにこりと笑ってこう言った。
どうなるか分かってるよね?
沖田先輩には適いません。
そう言ったら「僕もだよ」と言われて軽くキスをされた。
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【執筆者コメント】
参加承認ありがとうございます。こんな素敵企画に参加出来て嬉しいです。
このテーマを見て、沖田しかいない! と書かせてもらいました。小説自体はよくないですが、楽しかったです。