NOVEL

□「俺が」頼られたいんだ
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僕と一くんだけの秘密
家族にも友達にも先生にも内緒
周りから見たらとても仲の良い友人に見えるだろう
だけど本当は、僕たちは相思相愛で付き合っている
一緒に学校に登校して、一緒の教室で授業を受ける
お昼は二人だけでご飯を食べて、愛を囁く
そして一緒に部活をやって、一緒に帰る
そんな毎日が、僕は幸せで仕方がなかった


「一君、今日も残らなきゃいけないの?」
「あぁ、悪いが先に帰ってくれ」


だけど、突如その幸せは崩れ去ってしまった
ほとんど一緒にいる学校生活でも、唯一離れてしまう時が有る
それが委員会
委員会は会議が有ったり、行事の手伝いをしたりと時として忙しくなる
一君は風紀委員、しかもその性格から努力を惜しまない
だから、どうしても他の人に比べて忙しくなってしまう


「何か手伝おうか?」
「いや…大丈夫だ」


一君は優しいからいつも僕を思ってくれている
登下校の時も、授業中も、昼休みも、部活の時間も
そして、僕の居ない委員会の時さえも
だけど、今はその優しさが憎くてたまらない
その優しさが僕を突き放しているとは、きっと気付いてないだろう

迷惑をかけたくないからと、周りを頼らずに一人で仕事をこなして
心配いかけたくないからと、疲れていてもそれを言葉に出さない
僕は君の彼氏なんだから…
家族とも友人とも先生とも違う
特別な存在なんだから…


「もう少し僕を頼ってよ」
「だが、これは俺の仕事だ。総司を頼るのは…」
「僕が頼られたいんだ!!」


君を鬱陶しいとは思わない
嫌になるぐらい頼られて、甘えて欲しい
一君には難しいかもしれないけれど、僕はそれを望んでいる
誰にも言えない関係だからこそ、誰にも言えないことを言って欲しい


「一君を愛しているから」
「総司…」



だから、差し伸べた手を取って?




【執筆者コメント】
斎沖にも見えますが、私は沖斎と言い張ります!!
頼ってくれないからの苦悩なんです。
駄文にも関わらず読んで頂きありがとうございました。
そして、日和ぺこ様!!素敵企画に参加させて下さりありがとうございました。




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