JOGIO(小説)
□緩やかな束縛
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am7:00起床。
ベッドサイドの時計を見やり時刻を確認する。
少し疲れの残った身体を起こし、メンバーの任務予定を脳内で反芻。
本日任務がないのは俺と横に居るギアッチョだけだ。
ベッドから降りて服を着ようと上体を捻ると、腰のあたりに回されていた彼の腕に力が籠った。
「…どこ行くんだよ」
不機嫌そうな寝起き独特の掠れた声でギアッチョが呟く。
「服を着るだけだ、このままでは寒いからな」
そう伝えるがそれでも彼は反抗するように更に強く腕に力を込めた。
最近になって気付いたがどうもギアッチョは俺が早く目覚めてベッドからいなくなることをすこぶる嫌がるらしい。
甘えているのか、寂しいのか…どちらにせよ困ったものだ。
「今日はどうせ起きたって誰もいねぇんだろ…だったら」
そう言うが早いか俺の身体をギシリとベッドへ引き戻す。
「もう少し、こうしてようぜ」
あったまればいいんだろ、と今度は両腕で全身をぎゅっと抱きしめられる。
「…何もしないのならな」
とギアッチョの実力行使の我儘に、俺にしては珍しく茶化して返事をしてみると「約束はできねぇよ」と若干赤くなった顔でニヤリと笑いキスをされた。
次に目覚めるのは日が高くなってからだろうか。
まったく、俺もコイツにはとことん甘いようだ。
end.