バレンタインデーに女の子達から貰ったチョコレートがとても食べきれる量じゃなかったから、いくつかあげちゃったんだよね。あの人に。

…ああ!あの時の僕を思いっきりひっぱたいてやりたい!



「ん、はっ…」

口の中にぶちまけられたそれをなんとか飲み下す。苦い。生臭い。

そんなわけないのに、「おいしい?」なんて白々しく顔を覗きこんでくるこのセンパイの顔がいつも以上に腹立たしい。やめろ。小首をかしげるな。そういう仕種をして許される男は僕と風海先輩くらいだ。ああイライラする。

「んー、もう何回目だっけ?」

「…4回目、です」

「お、よく数えてるねー」

当たり前だ。僕が辱しめられた回数分、あなたには後で激辛ホットサンドを食べてもらわなきゃならないんだから。ワサビやらキムチやら、嫌いな辛いもの散々詰め込んでやる。ざまあみろ。

「…そんなに怖い顔しないでよ」

苦笑いしながら、センパイの細長い指が僕の髪をくしゃくしゃと撫でる。やめてよ。これでもセットに時間かけてるんですよ。

「あの時のチョコレートのお返しなんだからさ、お前にも楽しんでもらわないと」

「―っ!どうやってこの状況を楽しめっていうんですかっ」

全身この人の唾液やら精液やらの体液でドロドロで最悪だ。僕はそこまでドMになった覚えはない。

「ほら、漫画とかだとよくあるじゃない?」

「…なにがですか?」

「ホワイトデーぶっかけネタ!」

「死んでください!」

それは無理なのよねー、なんてふらふらしてる笑顔も憎たらしい。ああもう。本当に、嫌い。

「センパイなんて、大嫌いですっ」

「うん、俺も大好きだよー」

「人の話聞いてんのかアンタ!」

嫌い。大嫌い。

でも一番嫌いなのは、こんなやりとりを何よりも楽しく感じてしまう僕自身。





(そうだ、エイプリルフールには倍返しにしてやろう)

************
ホワイトデーな道羽。
場所をわきまえないでやっちまった感が否めない。


拍手ありがとうございました!

コメント欄にて感想やリクエストを送ってくださると海弥が狂喜乱舞いたします…っ







[TOPへ]
[カスタマイズ]

©フォレストページ