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□チラシの裏
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さっきから5分置きくらいに着信音を聞いているような気がする。メールは、全て兄さんから。
『どんなものが欲しい』
『大きい方がいいか?』
『色はなにがいい』
『どんな質感が好みだ?』
…一生懸命、僕へのプレゼントを選んでくれているのだろう。それらのメールに間を置かず返信しながら、これじゃあ包みを開ける前から中身が丸わかりだなあと思うと笑えてくる。
と、また着信音が響いた。
『二つまでしぼった。黒い皮鞄と茶皮のベルトだったらどっちがいい。それぞれの品番は――』
さすがに吹き出して笑った。
そんな、今年の誕生日。
(返信は、『だいすき』だよ)
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兄さんは不器用だといい。
純也くんの誕生日がわからない!そして今日3月28日は海弥の誕生日!
…どうでもいいですか。そうですか。