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□Go astray!(道風)※
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嗚咽だか嬌声だかもわからないようなすすり泣きが下の方から聞こえる。
もう何度目になるだろう、繰り返される行為に、抵抗する声も少なくなってきた。

でも、それじゃつまんないじゃないっすか。

髪を鷲掴んでぐいっと頭を持ち上げて、センパイの顔を覗き込む。
泣き腫らした目許に、紅潮した頬がたまらなく俺を興奮させた。

「気持ちイイですか、センパイ?」

耳元で囁いてみれば、細い身体がびくっと跳ねる。へえ、この声がイイんすか?

「…ど、して、こんなこと……っ」

喘ぎあえぎ紡がれた言葉。まったくこの人は何度同じことを言わせるのだろう。

「言ったじゃないですか。好きなんすよ、センパイのこと」

なんて、俺の言葉はこの人に届いているのだろうか。潤んだ瞳が見つめるそこには闇しかない。そんな虚空に、愛しい人の姿でも映し出しているのだろうか。

あの人がセンパイのことを大事に大事に、それこそ年代物の硝子細工のように扱っていたのは知っている。そしてセンパイがそいつに密かに思いを寄せていたことも。

そんな可愛らしい関係をぶち壊したりしたら、それはそれは非道なことだろう。

だけどすごく−−−−面白そうでしょ?

実際に組み敷いてみればやっぱり何も手を出されてはいないようだった。
そんな綺麗なセンパイをひん剥いて、舐め回して、犯して犯して、汚した。

もちろんセンパイは泣き叫んだし、ひどく罵られたりもしたけれど、それすらも俺には快楽を増す材料にしかならなくて。

もっと嫌がって。絶望して。

そんな風にしか愛せない自分はいい加減歪んであるなあと思う。

「好きですよ、センパイ」

律動を再開すれば、先輩の口から洩らされるのはもはや嬌声ばかりで。

「どう、すか?」

「も…っやめ、くださ……っ」

「いやっす」

さらりと言って一層奥まで突き上げてやれば、白い身体が弓なりにしなった。

「うぁっ…も、やら…ぁっ!」

呂律回ってないっすよ?と戯れに耳たぶを食めば、ぎゅっときつく締め付けられて堪らない。

卑猥な水音、荒い呼吸、跳ねる身体、そして、彼の絶望。

それらすべてが至上の快楽となって俺を高みへと追い詰める。そろそろ…やばいっすかね。

「センパイ、またナカに、出しますよ…っ」

「え…っや、ぁあっ!」

細い腰を掴み寄せてこれまでより激しく己の腰を打ちつける。

ぱん、ぱん、と肉がぶつかり合う音が薄暗い室内に響く。

甘ったるいセンパイの声に理性なんてとうの昔に手放した俺は、ただ獣のようにその身体にむしゃぶりついた。

瞬間、瞼の裏が白くスパークする感覚。

「…っ受け止めてください、よ…っ!」

「ぇ…や、あ、にいさ、にいさあああ………っ!」

どぷり、と遠慮なく中に精液をぶちまけた。思考回路が真っ白く焼き切れるようなこの瞬間がたまらなく気持ちイイ。

どぷっ、ごぷっ、と止めどなく溢れるそれを垂れ流しながら、センパイは呆然自失状態で、ただうわごとのように「にいさん、にいさん」と繰り返している。

その髪をもう一度ひっ掴んで、無理矢理目を合わせた。

「まだまだ、っすよ?」

そう、まだ終わらせてやらない。

あなたの中に、たっぷりと俺を焼き付けてから、ちゃあんとあの人のもとへ帰してあげますからね?

「好きっすよ、センパイ」
徐々に光を失っていく瞳に、にたあ、と笑う俺が映っていた。






(堕ちておいで、ここまでおいで)


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