06/22の日記

23:38
正式加入
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激しく咳き込んだまま立ち上がれないでいるアイツに敵がナイフを持って襲いかかる。それを見て、とっさに引き金を引けば、うめき声を上げながら、アイツにたどり着く前に倒れ込んだ。
その後、単調な戦いに飽きたらしい船長が能力を使って一気に片付けてしまい、あっけなく終了した。散布された毒ガスも一時的な神経マヒを起こすもので一時間ほどで回復した。
「菜摘!!お前は一体何をかんがえてるんだ!俺はあそこにいろと行ったはずだ。」
「ごめんなさい…待っていられなくなって、様子を見に行ったら、ペンギンさんが…」
「…ッ、そのことには感謝するが、お前はあくまで一般人なんだろ。無理するバカがいるか!」
「思わず、身体が動いて…」
「思わず、じゃない!菜摘、お前はバカなのか!?」
「ふぇ…」
「「あーペンギンが泣かした」」
監視役として菜摘と口論していると途中で菜摘が泣き始め、隣で様子を見ていたシャチとベポに責められた。自分で思ってもいなかった状況に狼狽えていると菜摘が泣きながら「違うんです」と言った。「ペ、ペンギンさんが…名前を呼んでくれたのが嬉しくて…」その言葉で自分では気付かないうちに名前で呼んでいたことに気付いた「ふ、コイツが名前で呼んだってことは一応お前を認めたってことだな。」「俺は決してそんなことは…」「クク、無意識のうちでだろうな。ペンギン、俺との賭を忘れてないだろうな。」愉快そうに小さく笑いながらの言葉に数日前のことが思い出された。反論したくとも出来ない状況に追い込まれた俺は少し苦々しく思いながら覚えてますと返した。話についてこれないシャチらは不思議そうに俺と船長のやりとりを見守っている。「ローさん、どういうことですか?」一番、状況が分かっていない菜摘が恐る恐るといった感じで聞いてきた。「俺がお前をこの船に乗せることをペンギンは良しとしなかった。そこで、ちょっとした賭みたいになったわけだ。
ペンギンがお前を監視する中で信用できる相手だと感じたら、この船に乗せることを認めるってな。」「え…」「で、こうしてペンギンが名前を呼んだってことは仲間と認めたってことだな。」状況がようやく理解できた菜摘がそれじゃあ…と小さく掠れた声で呟く。それに対してあぁともう一度愉快そうに笑いながらローは言う。「菜摘、お前は今日から正式なクルーの一員だ。」その言葉に胸がいっぱいになったのか、何も言えないままローを見ている菜摘に静観を続けていたシャチとベポが嬉しそうに抱きついて、おめでとうと何度も言う。それでようやく実感が湧いてきたのか、うっすら目に涙を浮かべながら「ありがとうございます」とローに満面の笑みで言った。それを見てローが少しだけ赤くなっていたことを菜摘はシャチたちに気を取られていたために気付かなかった。2人にもみくちゃにされていると黙ったままだったペンギンが小さく咳払いをした。「…菜摘、よろしくな。」「はい!よろしくお願いします。」騒がしかった夜がようやく明けようとしていた。

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