03/02の日記
14:26
ワンピース
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カランと氷が澄んだ音を響かせる。
何故…
そう問われても、答えられなかった。
というより、俺が知りたいくらいだ。
ログポースが指し示すままに訪れた無人島
暇つぶしで降りてみれば、海辺にアイツが倒れていた。
死んでんのかと思って、刀でほほをつついてみれば、アイツは目を開いた。
そして−
そして、アイツは…
俺を見て、
笑った。
その笑みは、自分を見下すようなものではなく、生を諦めたようなものではなく、
嘲笑ではなく、
冷笑ではなく、
苦笑ではなく、
爆笑ではなく、
微笑ではなく、
ただ、俺を見て幸せそうに笑った。
意識が朦朧としているようではあるが、俺の名前をハッキリと口にしている。
俺と知って、理解してなお…どうして、幸せそうに笑う?
俺は海賊だ。
恐れられることはあっても、喜ばれることはない。
怯えられることはあっても、微笑まれることはない。
なのに…何故?
その笑顔を見た瞬間、幸せそうに細められる瞳に、闇夜を思わせるような黒い瞳に吸い込まれてしまうようだった。
その瞳に捕らえられてしまったようだった。
アイツを船に乗せる理由。
それは、ただ知りたいだけだ
何故、俺を見て幸せそうに微笑むのか。
何故、俺はアイツの瞳に惹かれたのか。
何故、アイツと出会ったのか。
アイツは一体、何者なのか。
とにかく、俺はアイツを乗せるだけだ。
アイツを乗せるのは、暇つぶしだ
そう、ただの暇つぶしなだけだ…
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13:18
ワンピース
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side ロー
コンコン…
「船長。俺です…いいですか。」
「ペンギンか…入れ。」
1人、いつものように酒を飲んでいたところに控えめなノックの音が響く。
声をかけるとペンギンが入ってくる。
普段なら決して用がなければ、ペンギンは入ってこない。
しかし、今日は"あいつ"のことがある。きっと来るだろうと思っていたため、別に驚きはしなかった。
「本当に…乗せるつもりですか。」
何を、とは聞かない。
聞くまでもないためにペンギンも何をとは言わない。
「あぁ。」
そう答えるとペンギンは何も言わなかったが、防寒帽の奥の瞳が納得がいかないというように細められた。
「何故、と聞いていいでしょうか。」
「大した理由なんかねぇよ。ただ…」
「ただ?」
「…いや、何でもねぇ。ただの暇つぶしだ。アイツは乗せる。文句は言わせねぇぞ。」
「……分かりました。失礼します。」
小さくため息をつくと、ペンギンは静かに出て行った。
昔からの付き合いだ、お互いの性格は分かっている。
納得は出来ずとも諦めたようだ。
パタンと小さな音を立てて、ドアが閉まるのを眺めてから、再び酒をグラスについだ。
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