海賊との旅に・・・
□新たな年に
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「はぁ…ペンギン、心臓に悪いよ…ちょっとドキドキしちゃった…」
「何にドキドキしたんだ?」
「!!」
「どうした、そんな驚いた顔して。」
「っ、ロー…なんでもないよ。」
「そうか?顔、赤くなってんぞ?」
再び声がして振りかえると、今度はローが立っていた。
先ほどのペンギンとのことは見ていなかったらしく、触れて来なかったが、ローがペンギンのように顔を近づけてきた。
思わず、ペンギンのことが思い出されて赤面するが、酒のせいだとごまかした。
「ロー、なんだかんだで私がここに来て1年経とうとするんだね。」
「あぁ、色々あったな。」
「そうだね…本当に色々…ねぇ、」
「あ?」
「これからもよろしくお願いします、船長。」
珍しくナツミが真面目に言うと、ローは何も言わなかったが、頭をぐしゃぐしゃと混ぜて、去っていった。
ナツミもどこか満足した感じで自室へと戻っていった。
いまだ、興奮冷めやらぬ船の上。
陽気な歌と共に夜が明けていく……
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