企画

□ファンタジスタと俺。
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彼を見たとき、運命だと思った。




正しくは彼じゃなく、………腰だが。







あの細い腰!!!くっきりと浮かぶ曲線…。
すっごいハグしたい衝動に駆られた。
まさかFFIの開催地でこんな出会いをするなんて
正直、とても驚いている。


また会いたいな、彼に。






3日後、河川敷。



俺たちオーストラリアは練習を休んで
試合前の休養をしていた。



「なぁ、あんたオーストラリアのチームじゃね?」
「え、ああ、そうだが…っ!!?」


振り向くと、いつぞやの彼が立っていた!
彼は「やっぱり」と言って、笑顔で話を続ける。


「初戦は日本の雷門中だろ?」
「そ、そうだが」
「俺さ、そこの生徒なんだ。訳あって今はアメリカにいるけど」
「そうなのか…」


どうしよう、結構話すの恥ずかしいな…。
でも、せっかく話すチャンスだし…。


「そうそう!雷門は結構強いぜ!!油断してるとあぶねーかもな」
「えっ?」
「ま、頑張れよ。あいつらとのサッカーは絶対楽しいからさ」
「ああ、俺たちだって負けないさ…」


うおおおお、つい強気で言ってしまった!!!!
彼は何とも思わなかったらしく、そのままの笑顔で


「俺、土門飛鳥。今度は一緒にサッカーできるといいな!」


ん!と手を出すので、仕方なく俺も出す。
握手すると、彼は手を離してくれない。
そろそろ放してもらわないとどうにかなりそうなんだが…


「名前」
「え…?」
「お前の名前、まだ聞いてない」
「…ドルフィンだ」


彼の顔がぱぁっと明るくなって
「イルカかぁ!!可愛い名前だな!」
と、無邪気に言って見せた。



君はファンタジスタ。



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