本棚
□きみといたいから
1ページ/2ページ
−大江戸コンビニ−
「あーどうしよ…」
土方が持っていた大江戸コンビニと書いてある紙袋の中に、焼きそばパンが二つ入っていた。二つ入っていたのには、理由があった…
「総悟になんつったらいいんだ…。間違えて二つ買ったから〜…気持ち悪っ。」
そう呟きながら歩いてる途中、前に銀時がハーゲン〇ッツを食いながら歩いていた。
「あ、土方じゃねーか。珍しいなー…おまえがコンビニの袋持ってブーラブーラ歩い…」
銀時が話してる途中に、土方は走って逃げていった。その後ろ姿は、何か哀しい事があったかのように小さく見えた
−新撰組・総悟の部屋−
「おい総悟。」
「なんすっか?あんたと話してる暇はって、焼きそばパン?」
「マヨネーズだと思ったら焼きそばパンだった。おまえの呪いか?」
苦笑いしながら土方は下手な嘘を言った。総悟は既に気づいていたが、表に出さなかった。
「へー…じゃ、これから毎日お願いしまーす。」
「何で毎日なんだよ!?」
静かな部屋の中、二人は焼きそばパンを夢中で食べていた。土方は途中マヨネーズをかけて食べていた。
「土方さんはあのお方のことどう思いますか?」
「あのお方って、銀時か…彼奴は俺達
ー万事屋−
「銀さん。」
「何だ眼鏡…」
「何で眼鏡何ですか!?」
「眼鏡だからだろ!映画〇〇編の最初におまえ眼鏡だっただろ!」「今このストーリー作ってる人は桂さんの髪が〇〇なったところで、眼鏡の事忘れたんですよ!」
「そんなこと知るか!…で、何か言いたいことあったか?」
新八はツッコミに疲れたのか、息が荒れていた。大きく深呼吸し
「土方さんはどうするのですか?」
と言った。
銀時は急に何も言わなくなった。ただ地面を見ていただけで、新八と目を会わせなかった。
「見ましたよ。大江戸コンビニの前で、土方さんが焼きそばパン二つ持ってた。あれ、もしかしたら」「わかってたよ」
まだ目を会わせなかった。けれども、体が震えていたため、泣いていることがすぐにわかった。
「銀さん、諦めるのが早いですよ。今バイクで行ったら絶対に間に合いますよ。」
銀時は首を横にふり、顔をあげて笑った。
「そんなことしても無駄だ。彼奴は俺にとって余ったチョコ見たいな物だよ。」
「僕は…土方さんはその余ったチョコが欲しいと思いますよ」
新八は銀時の手を力強く掴んだ。その手は銀時の手より小さかったが、全体を暖めた。
「そんなに行ってほしいのなら、行ってやるよ。」
「銀さん!」
バイクの鍵を取り、銀時は外へ出ていった。
「ありがとよ、眼鏡」「眼鏡言うな――!」
部屋は急に静かになり、新八は定春の頭を撫でようとしたが、定春は新八の手を噛んだ。手から血が流れた。
「余ったチョコ、土方さんにあげちゃった…」
−新撰組−
「な、何で泣いてるのですか、土方さん」
「おまえこそ、目薬入れすぎだ…」
お互いの気持ちが少しずつわかって来た所に、銀時は隠れて聞き耳を立てていた。
「総悟…、俺」「早く行ってくださいよ。その方が楽になりませぇ」
沖田は涙なんて流れなかったかのように、すべて服で拭った。
「お願いしますよ、土方さん!」
その瞬間、沖田の体が急に暖かくなった。
「俺は確かに彼奴が好きだ。だが彼奴と一緒にいると何もかも見えなくなる!彼奴しか見えなくなる!」
土方は抱きしめながら、総悟の服を強く握りしめた。
「自分は彼奴の身代わりですか、土方さん。」
「だから、俺は、銀時が好きじゃない。」
「意味がわかりません。」
「総悟!おまえが好きだ!」
他の新撰組メンバーがいない場所で土方は沖田にキスをした。
「や、やめてください!」
沖田は部屋から逃げたその時、銀時が腕を組んで立っているのを見た。土方が沖田の様子がおかしいと見に行った。銀時は土方と沖田の真っ赤な顔を見て笑った。
「おいおい、マヨラードSカップル誕生か?」
その顔は笑っていなかった。