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□現実逃避
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私安斎ナナは、友達の遠藤純香と一緒に池袋の町をごく普通に歩き回っている。
ナナは人間大好きで、周りからは「あいつの女バージョンだ」と噂されている。
純香は変な奴(ナナ)の隣にいつもいる奴と思っておいた方がいい。(気持ち悪いほど「腹」黒いから)
二人は仕事をしていないが、ナナの情報料で稼いでいる。
「ナナ〜。もうそろそろ金の限界と言うものがあるのですが…。」
ナナは純香の言葉が聞こえていても、わざと聞こえない振りをして、建物の間の隙間に座り込んでいる。沈黙の時間が、純香の頭を悩ませた。

「何か食べ物ぐらい買おうよ〜。それぐらいの金なら…。」

ジリ…

「ん?」

誰かの足跡が聞こえた。

カラン、カラン…

鉄パイプをひきずっている音がした。

「相手は一人ではないようですね。」

純香は警戒していたが、ナナはぴくとも動いていなかった。

「金、出せば良いことだから。気にすんな。」

二人は一人の黄色バンダナを首に巻いた人を汚い人のように見ていた。

「何だその目は!?」

そう言ったら、前後に黄色の人が出てきた。そしてナナが久しぶりに話した。

「黄巾賊って言うやつ!?」

急に立ち上がり、目を輝かせた。

「サインください!」
そう言ったら、ナナはチンピラに抱きついた。腹から赤い血が流れた。

「タイプじゃない。」
ナナが離れたら、腹から背中まで細くて綺麗な包丁が刺さっていた。

チンピラのポケットから財布を取り出した。結構な大金が入っていた。
ナナは財布を純香に投げ、手を大きく広げた。

「私は貴方を知りたい!死ぬまで貴方を待っている!」

黄巾賊の人達は、ゆっくり後ろに下がった。
「な、ナナ…。」

上から自動販売機が落ちてきた。

「おっと…気づかれたようだね。」

ナナの後ろに、臨也が立っていた。

「臨也だ…いざって、うおぉぉ!」

臨也はナナの手を掴み、何処かに連れていかれた。

「ちょ、ナナ!」
「おい、あんたの友達あのやろうに連れていかれたか?」

純香の背中から鳥肌がたった。

「はい。…な、何で聞いたのですか?」

おびえながら質問をした。

「あいつ、最近変わった。」

静雄は口にくわえていた煙草を近くのごみ袋に入れ、新しいのを出した。

「あいつ。その友達の事気に入ったようだな。」

そう言ったら、静雄は純香に手招きをして歩き出した。いつの間にかチンピラは消えていた。そして、純香は思った。

「静雄って、ちゃんとごみ袋に入れるんだ…。」

池袋にはアニメイト本店がある。そこに、二人の女子が蠢いている。

「明日香ちゃーん!」「ん?どうかした?」

一人の女子桃音は、ある人物を見て感動している。

「今ね、ゆまっちと狩沢さんがいたんだ!」
『…………………。』
「嘘!え、ちょ、ま!」

二人は持っていた漫画を置き、ウォーカーと狩沢を追った。

「ほら、あそこ。」

桃音は二人を指差した。その瞬間、ウォーカーと狩沢が後ろを振り向いた。どうやら築かれたようだ。

「あの〜。誰?」
「カナダだよ」
「ゆまっち!それはピーでしょ!」
「いや!ピーはピーだからピーピーピーなんだ!」

二人の会話についていけない二人。そしてようやく狩沢が二人に話した。

「で、二人はどうして私たちのこと見てたの?」

桃花は狩沢の手を力強く掴んだ。

「会いたかったんです!大好きです!」

急なことに、狩沢もウォーカーもビックリした。

「で、聞きたいことがあるのですが…。」

明日香は一枚の写真を二人に見せた。そこにはナナと純香が写っていた。

「この二人、見ませんでしたか?」
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