スマイル
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昨日家に着いたら兄貴が夕飯作ってた。今更だけど、アタシは兄貴と2人暮らしなんだ。両親はちゃんと生きてるよ?けど、あんな最低な親とは一緒に暮らしたくなかったから。
両親は人を殺した。そしてその罪をアタシが親しくしていた、母にとっての親友になすりつけたんだ。そして母さんは言ったんだ。
「やっぱり持つべきものは利用できる馬鹿ね」
もちろん、とびっきりの笑顔でね。信じられなかったよ。あんなに優しかった母さんがこんな台詞を言うだなんてね。
父さんも「そうだな!!」とか言って笑ってた。アタシはこの2人の娘だという事を恥じたよ。
それでその2年後、今から2年前に兄貴と2人暮らしをし始めたんだ。
その時頃からかな?兄貴がモデルで活躍し始めたのは。まぁそのおかげで序盤から生活が楽だったんだけどね。いい兄貴を持った←
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ガチッ
「しずくー!!グッドモーニング☆」
『……』
「もうすぐ2時だよvV」
『んー…、風呂沸いてる?』
「兄ちゃん沸かしといたぜ☆」
『…ありがと』
今日は4時からバイト。…はぁ、バイトまじでかったるいな。近いうちにバイト先変えよ。バイト探しとかないとな。
『じゃ、行ってくる』
「しずく、気をつけて行ってくるんだぞ!?」
『わーかってるって』
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「ナイトくぅ〜んvV」
『何でしょう?』
「何時になったらデートしてくれるのぉ?ユア、デートしたいよぉ〜vV」
うげ。自分の事名前で呼ぶなよ。ぶりっ子の証拠だぞ?(or天然の証拠)…この人はユアさん。俺にデートデートっていってくる大嫌いなお客様。
『すみません、忙しくて』
「次は何時が休みなのぉ?」
語尾を伸ばすな気持ち悪い。
『…そうですね、来週辺り?ですかね?』
はい、嘘です。本当は明日、明後日休みなんだ←店長に頼んだ。てか脅した。「休みにしなきゃ呪うよ★」ってね。冷や汗かいてたよ。店長…w
「じぁあユア、来週ナイト君予約ーvV」
『…わかりました』
俺の時間は予約制じゃないわ!!と、心で叫んでおく←
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くそ、店長のやつ「2連休するんだから今日は最後までよろしく★」とかいいやがって…。その口に蛞蝓(なめくじ)入れたかったよ。我慢したけど。
今は電車の中。もちろんこんな時間だし、車内には俺一人だ。
“〇〇駅〜〇〇駅〜”
…なんか、嫌な予感が。そういえばこの駅だっけ?電車メンバーが乗って来たのは。やべっ席移そうかな?
「…あ、」
『…げ』
はは、嫌な予感的中。何で出会っちゃうんだか。店長、恨むからね。
「また会ったね」
『…はぁー』
「な!?てめぇ、なんだそのため息は!!10代目に失礼だろうがっ!!」
でたよ、銀髪。相変わらず煩いな。耳が悪くなっちまう。あ、今思ったけど、銀髪=煩いだね。あのロン毛の人もうるさかったし…て、あ。ロン毛見なきゃよかった。そしたら隣の黒髪さんを見なくてすんだなに。
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前には黒髪さん、右には帽子さん。で、左にはこの間のお兄さんが、座ってる。何で俺囲まれてんの?
「そういえばこの間“次に会ったら名前教える”って言ってたよね?」
『…。…ナイトだよ』
「…それ本当に名前?偽名とかじゃないよね?」
このお兄さん本当、勘がいいね。怖いぐらいに。
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