会長はメイド様!

□こんな催眠術有り?
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とある日の事、碓氷は悩んでいた。屋舎から美咲が生徒会のメンバーと一緒に荷物を運んでいるのが見えた。

【……!?】

碓氷は目を見開いた。美咲が躓いて転びそうになった瞬間、通り掛かりの先輩が受け止めた。
【すいません、ありがとうございました】

【鮎沢会長…

先輩は美咲だという事に今気付き驚いていた。しかし間近で見る美咲の顔に先輩は赤くなる。
【っ…いや…気を付けろよ

美咲は急に赤くなった先輩に首を傾げていたがすぐに仕事に戻った。

【………】

その様子を睨み付けるように見ていた碓氷は恐い表情で屋舎を立ち去る。

【え碓氷さん本当にそんな事やるんですか!?
碓氷は叶を呼び出し何かを頼んでいた。

【もちろん、じゃあ頼んだよ。叶君…】

【…

碓氷の恐ろしいオーラに叶はビビり逆らえなかった。叶は仕方なく美咲の所へ行く。

【どうした?何か用か、叶】

…会長、すいません

今日は生徒会の仕事がなくとっとと帰ろうとした美咲に叶は近付いた。

【何を謝って……ーー】

叶は美咲に催眠術をかけた。すると美咲は無意識状態になり一人である場所に向かう。

【…会長、すいません碓氷さんに逆らえませんでした

叶は先に謝りこれから美咲の身に起こる事を考え美咲を見送る。

【いらっしゃい美咲ちゃん叶君の催眠術、まだ効いてるみたいだね】

美咲が向かったのは碓氷の部屋だった。まだ意識のない美咲を部屋に入れ碓氷は鍵を閉めた。
【もういいかな…】

パンッと手を叩き碓氷は催眠状態から美咲を起こした。美咲はハッとして辺りを見回す。

【なっ!?一体何処だ!?ここは!?私は確か学校にいたはず…って碓氷!?】

【はいはい、まずは落ち着こうね美咲ちゃん】
碓氷はニヤニヤしながら事の成り行きを話した。
【…つまりお前が叶を使って私に催眠術をかけさせたのか!?

【そういう事だってこうでもしないと美咲ちゃん来てくれないんだもん】

【だからって叶を利用するなんて卑怯じゃないか!しかも私は催眠術にかかりやすいんだぞ!
【じゃあ鮎沢、いい加減無防備なの気を付けてくれない?】

【はあ!?】

【俺が24時間ずっと見張ってないと心配でたまらないんだよ】

【何変態発言してんだ私はお前なんかに】
グイッと手を引かれ引き寄せられた美咲。碓氷の胸に顔をぶつけ抱きしめられる。

【う碓氷

【…ねぇ、俺の不安何とかして】

【え…】

碓氷は美咲の腰に手を回しギュッと抱きしめた。
【鮎沢…お願いだから、俺だけを見て…】

【碓氷…

碓氷の顔がゆっくりと近づいて来る。美咲は赤くなり真剣な碓氷の目に目を反らせなくなる。
【俺だけの鮎沢だって……】

【碓氷…私は…っん】

二人の唇は重なりそのまま時が静止した。

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