会長はメイド様!
□かぐや姫
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昔々、竹取りの翁という幸村爺さんがいました。幸村爺さんが竹やぶを歩いていると一本の光り輝く竹を見付けました。
【わあこれは!?】
幸村爺さんが竹を切ってみると中には小さな女の子がいました。幸村爺さんは女の子を連れ帰りさくら婆さんと大切に育てました。
【【【【【お願いです!どうか師匠…いえ、かぐや姫様の弟子にして下さい!】】】】】
月日は流れ女の子は美咲…いやかぐや姫と名付けられました。かぐや姫は都でも評判になり五人の貴公子達がかぐや姫の弟子になりたいとやってきた。
【かぐや姫は都でも強く逞しいと評判です】
【是非我々を弟子に!】
一行に諦めない五人の貴公子達にかぐや姫はどうしたものかと悩む。
【…わかった、そこまで言うなら弟子にしてやる。ただし、竜首の玉、仏の三石の鉢、火鼠の皮衣、蓬莱の玉枝、燕の小安貝をそれぞれ取って来れたらな】
【【【【【えっ!?】】】】】
そんな非現実的な物など存在するはずもなく、それでも五人の貴公子達はそれぞれの物を探しに旅に出た。
(あいつら本当に探しに行ったのか…)
バカ正直な貴公子達にかぐや姫は悪気を感じたがこれで一先ず安心だ。
【もうすぐ…か…】
かぐや姫は最近月を見上げては悲しい顔をした。
【美咲ちゃん、何してるの?】
【わっ!?う碓氷!?】
都で有名な帝の碓氷拓海はかぐや姫に何度も求婚を迫りに来ていた。
【そんな悲しい顔してないで一緒に都に行こうよ】
【だから私は無理だと行っているだろう!】
【何でー?】
【それは…私がこの国の人間じゃないから】
【…俺だって美咲ちゃんが言ってる宇宙人だよ】
【バカ!そんな冗談じゃない私は月の国の者で明日の満月の夜に月から迎えが来るんだ】
かぐや姫は帝から目を反らし月に帰らねばならない事を告げる。
【…帰さないって言ったら、どうする?】
【…無理だ、お前が何をしようと】
【じゃあ、明日の夜、月からの迎えを阻止できたら俺と婚約してくれる?】
【!?…そんな事、いくらお前でも…】
帝はかぐや姫を抱きしめた。
【俺を誰だと思ってるの?】
【碓氷…】
【大丈夫、ご主人様に任せなさい…】
帝はかぐや姫をギュッと抱きしめた。
【は、離せ!碓氷!】
そして次の日の夜、帝はかぐや姫を守るためにかぐや姫の屋敷に家来達を呼び寄せた。
【帝様ったらかぐや姫を隠すために私達と同じ服をかぐや姫に着せたんですって】
【本当バッカじゃないあんな怪力女ならこんな守らなくても…】
メイド・ラテの…いや、家来達は皆メイド着物を着ていた。かぐや姫も皆と同じ格好にされ
【何で私までこんな格好を】
【だってその方が萌えるでしょ】
【この変態帝!】
【心配ないっちゃ!美咲ちゃんは俺が守るっちゃ!】
【深谷…】
【あー三下君、それ以上姫に近付かないでね…】
今宵は月からかぐや姫を迎えに使者達がやって来る。帝はかぐや姫を守るために家来達に屋敷を見張らせていた。
【美咲ちゃんが月に帰っちゃうなんて】
【そんなのヤダ〜】
【美咲ちゃんは俺らでしっかり守る!】
三バカ達も武器を手に気合い満々だった。
【もうすぐ時間ね】
【月からって一体どうやって…】
その時月が光り輝き、人影が見えた。
【あれは!?】
その頃かぐや姫は帝と二人きりで部屋にいた。翁達にも二人きりにしてもらいかぐや姫は何だか緊張していた。
【…】
【どうしたの?会長…緊張してるの?】
【ばっ緊張なんかしてない!…ただ…こんなにもたくさんの人に世話になって…何か悪いな…】
【鮎沢……】
帝はかぐや姫を抱きしめメイド着物の帯に手をかけた。
【ちょっう碓氷…】
【俺を置いて帰るなんて…許さない…】
【碓氷…】
二人は見つめ合い徐々に距離が縮まっていく。二人の唇が触れる直前、いきなり扉が全開し眩しい光に包まれた。
【!?】
【そこまでや、おもろい展開なっとるけど時間や。月に帰るで、かぐや姫】
月からの使者、雅ヶ丘の生徒会メンバー達が虎を中心に現れた。
【げっ…五十嵐会長…】
【かぐや姫ともあろう女がおもろい格好しとるな】
【…】
【今回はシナリオやからな、あんたは無理矢理にでも月に連れて帰らなあかんのや】
虎はかぐや姫に近寄り天の羽衣を取り出した
【はよ、これ着けて来いや。帰るで】
【え…ちょっ】
虎はかぐや姫の手を掴み連れて帰ろうてする
【鮎沢!】
【っ!?】
虎に連れて行かれるかぐや姫に帝はキスをした。その瞬間天の羽衣が消え去る。
【悪いけど、いくらシナリオでも鮎沢は渡さないよ?…俺から鮎沢を奪うなんてさせない】
【碓氷!?】
グイッとかぐや姫を引き戻し虎から奪い返した。
【相変わらずナイト気取りか…かぐや姫の最後は月に帰って終わりや、その女がこっちに来な話は終わらんで?】
ニヤリと虎は笑い帝を挑発する。
【物語なんて関係ないよ、俺と鮎沢が離別したままの話なんていくらでも変えられる】
【…まあええわ。変えれるなら変えてみせろや、楽しみにしとるわ】
そう言って虎達は月に引き換えして行った。
【う、碓氷…】
【帝とかぐや姫が別れたまま終わりなんてそんな展開、俺が許さない】
碓氷は赤い顔をしている美咲に近寄り至近距離まで近付く。
【話の展開変えるなんてバカじゃないのか】
【流石俺、でしょ?それより美咲ちゃん、約束覚えてる?】
【約束…?】
【もう逃がさない…】
帝はかぐや姫を押し倒し上機嫌でニヤニヤと笑う。
【初夜だしV何しようか】
【おまっ!?ちょっと待て初夜って…】
こうしてかぐや姫は帝と末永く幸せに暮らしました。
めでたしめでたし。。。
おまけ
【めでたくないわー!何だよこれは!?話変わり過ぎだろ!】
【まあまあ美咲ちゃん。いいじゃん、これでかぐや姫も帝も幸せになれたんだからV】
【何が幸せだ!アホ碓氷!結局お前はセクハラしてるだけじゃないか!】
【美咲ちゃん可愛い〜V】