会長はメイド様!
□赤ずきん美咲ちゃん
1ページ/1ページ
ある所に赤ずきんちゃん美咲というしっかりしていて強い女の子がいました。ある日美咲はさくら祖母さんの家にお見舞いに行く事になりました。
【じゃあ母さん、行って来ます】
美咲はりんごの入ったバスケットを持って森の中に入って行った。しばらく行くと突然目の前に拓海が現れた。
【ワーオ美咲ちゃん赤ずきんだ可愛い】
【碓氷お前はお伽話でもふざけた奴だな】
【ひどいな俺真剣だよ?】
拓海は耳や尻尾を美咲に見せた。
【わかったから私は忙しいんだ!今からさくら祖母さんの家にお見舞いに行くんだ】
【ふーん、一人で?】
【ああ、だからまたな】
美咲は拓海を無視して行ってしまった。美咲の後ろ姿を見て拓海は何やらニヤリと笑う。
【碓氷の奴一体何なんだあの格好は】
美咲は森の中ゆっくりと花を摘みながら歩いて行く。一方拓海は先回りしていた。
【あれ?碓氷君どうしたの?】
さくら祖母さんの家に先回りしていた拓海。
【やあ、いいもの拾ったからあげる】
【何これ…ってこれは!?】
さくら祖母さんはあっという間に元気になる。拓海がさくら祖母さんに渡したのはユメミシのライブチケットだった。
【今日限定でやってるみたいだから行くなら早く行った方がいいよ?】
【ありがとう碓氷君!】
さくら祖母さんは寝込んでいた事も忘れ隣の山を越えた先にある会場に向かった。
【さあて……もうすぐ来るかな…】
拓海は怪しい笑みを浮かべた。家に入りベットに潜り込む。しばらくして美咲がやって来た。
【さくら祖母さん大丈夫か?】
【大丈夫じゃないかも…】
拓海は声を高くしていた。しかし美咲はあらゆる違和感を感じた。
【さくら祖母さん、声おかしくないか?】
【風邪だよ】
【そうか…少し背伸びたか?】
【成長期だから】
納得しつつもいつもと様子が違うさくら祖母さんに美咲は顔を覗いて見た。
【さくら祖母さん…やっぱり何かっ!?…】
グイッと美咲は拓海に腕を引っ張られベットに倒れ込む。拓海はギュッと美咲を抱きしめ離さない。
【美咲ちゃん引っ掛かった】
【う、碓氷!?何でお前がここにいるんだよ!?さくらはどうした!?】
【花園さんならライブに出掛けたよ、あの分じゃしばらく帰って来ないね】
【はあ!?さくら祖母さん具合悪いんじゃないのかよ…大丈夫かな】
美咲は拓海の上に倒れ込んだまま呟く。
【…他の人より自分の心配した方がいいんじゃない?鮎沢…】
【え?…っ】
グイッと引き寄せられ美咲の頬が拓海の頬にぶつかる。拓海はペロッと美咲の頬を舐めた。
【なっ!?】
【今の状況わかってる?今すぐなら俺いつでも襲えるよ?】
【ばっバカ!離せ!この変態宇宙じっ…】
美咲の言葉は拓海の唇で途切れた。