深海の侍人

□狼 1
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万事屋の坂田銀時。
死んだ魚のような濁った目をしていると称される彼だが、刀を持てばその強さに圧倒されるほどの能力の持ち主である。
そんな彼に子供がいる、そう噂になっているのはどの依頼を受けている時にも特徴的な天パーの銀髪にへばりついている子供のせいだろう。
今日もまた騒動に巻き込まれるまま賞金首と対峙しているその場面でべたりと頭にへばりついた子供はにこにこと笑みを浮かべながらデタラメな歌を歌っている。

「おとーしゃんのおめめはらんらんらん。おとーしゃんのおくちはおほしさま。」

「いや、俺の口は星じゃないだろ。」

「おほししゃまなの!」

「じゃあ目のらんらんらんってなんだよ。」

「んーとねえ…わかんない!」

「ほんと適当な歌だな、おい。」

「てきとーじゃないもん!」

「適当にしか聞こえねぇけどな。」

「らんらん。るんるん。あそびましょ。」

楽しげに聞こえてくる歌はその場の雰囲気には似つかわしくないものだが、銀時はフッと笑みを浮かべている。
目の前で歪な笑みを浮かべ刀を振りあげている男などお構いなしだ。
斬られる。
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