深海の色々
□BLACK LAGOON 1
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翌日目を覚ますと既にルカは居らず、昨日の続きで内装まで変えているようだ。
レヴィの開けた穴や汚れ切ったベッドもなくなり、色褪せていた壁を白く塗ったようで綺麗になっている。
オイルなどで汚れていた床も綺麗に磨かれ、大量の吸殻や缶詰の残骸も片付けられていた。
奥からゴトゴトと音が聞こえたかと思うと綺麗なベッドを持ってルカが入ってくる。
「ダッチ、おはよう。新しいベッドどこやる?前と同じとこでいい?」
「あぁ。」
「じゃあここにおくね。布団は甲板に干してあるから。」
「あまり無理するなよ。」
「好きでやってるから大丈夫。それにこの船には思い入れがあるんだ、ダッチにもわかるよね?」
「そりゃ俺らの船だからな。」
「そっか。よし、俺は仕上げに新しい魚雷でもつけてくるね!」
嬉しそうに鼻歌を奏でているルカにダッチも笑みを浮かべていた。
しかし、肩の出血が思った以上に多くガーゼを真っ赤に染め、そのまま放置して無理をし続けたこともあって顔色がどんどん悪くなっていく。
ダッチが近くにいればその前に止めていたのだろうが、新しい依頼を聞きに1日外出していた。
船の修理が終わったと甲板に出ると同時に一気に来た目眩に逆らうこと無く、そのまま海へと倒れ込む。
口から空気が逃げ、綺麗な青を見ながら意識を無くしていけば深く深く水の中へと入っていった。
ちょうどその頃、仕事を終えて戻ってきたダッチはルカを探して船内をうろうろした後、甲板に出て辺りを見渡した。
そこには彼の道具が散らばっており、端の方に血だまりが出来ていてそれを見るなりすぐ様海へと飛び込む。
潜るまもなくゆらゆらと漂っていたルカを引き上げ、甲板に寝かせればドンっと軽く胸を叩いただけで水を吐き出した。
「…げほげほ。」
「はぁ、心配かけやがって。」
とりあえず濡れた服を脱がし、傷口を見てみればやはり酷い状態で大きな溜息をついた。
船内のベッドに寝かせ、手当てを施せば出血は止まったようで一息つく。
しばらく寝かしていると、目を覚ましたルカが大きな欠伸をして身体を起こした。
「お前な、無理はするなと言っただろ。」
「ごめーん。ここまで酷くなるとは思ってなかったし。」
「まったく。俺が少しでも遅かったら死んでたかもしれないいだぞ?それはちゃんと理解しろ。」
「ごめんって!でもダッチはいつでも俺の事助けてくれるでしょ。」
「まぁそうだが、間に合わなかったらどうするつもりだ。」
「間に合わないなんてことないから大丈夫。」
「どういう自信だ、それは。」
「さぁ?でも絶対だからこその自信なんだよ。」
「俺を信頼しすぎだ。」
「ダッチのためだったらこの命喜んで差し出すよ。」
「ふざけんな。それなら俺のために生き続けろ。」