Long Novel

□After Valentine's Day T
1ページ/3ページ





After
Valentine's Day T
板垣&間柴




バレンタインデーから1週間ほどたった頃。
ボクは間柴さんを誘って、いつものカフェに来ていた。

「で、話ってなんだ」

「あの、この間のバレンタインデーなんですけど」

向かいに座っている間柴さんは、コーヒーを啜りながら眉を寄せる。

「久美の事か」

「いえ!違いますっ!
うちの菜々子の事なんですけど…。
どーもあの日以来、ちょっと様子がおかしいんですよね」

「菜々子って、確かお前の妹だったな」

「はい」

ボクは熱い紅茶を飲みながら、頷く。

「な〜んかニヤニヤしてて、嬉しそうっていうか。
どうしたんだって聞くと、なんでもないって言うし。
何回も聞いたら、お兄ちゃんには関係ない!ってキレられるし…。
もう何がなんだか」

ため息をつくと、話を静かに聞いていた間柴さんは小さく一言だけ呟いた。

「男だな」

その言葉に、カップを置いて勢いよく反論する。

「と、ボクも思ったんですけどね!
男じゃ無いと思うんですよ。
だって菜々子の奴、バレンタインデーの日に先輩にフラれてるんですから」

「何ぃ?幕之内だと?」

間柴さんはその名前を聞いた途端、ガチャンと乱暴にコーヒーカップを置いた。
そしてボクの方をギロリと睨みつける。

しまった。
先輩の話は伏せておくべきだった!


_
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ