Long Novel
□V
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「…おかえり」
「え!? あ…うん。 ただいま」
寝ているかと思ったのに、返事が返って来たので驚いた。
しかも、おかえりだなんて! そんなの滅多に言わないのに。
……どういう風の吹き回しだろう。
「晩御飯はもう食べた? まだなら今から何か作るけど」
「食った」
「そう…」
何だろう。 何か妙だ。
お兄ちゃんの雰囲気が、いつもと違う感じがする。
いつもは、私が幕之内さんと食事から帰って来ると機嫌が悪くてムスッとしているのに。
私には背中しか向けていないけれど、どことなく…威圧感が無いというか。
少し、優しい感じさえ覚える。
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