Long Novel

□After Valentine's Day T
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その後間柴さんから、妹につく悪い虫の排除方法を沢山伝授してもらった。
この話をする間の間柴さんは、ケケケッと楽しそうに笑っており、とてもご機嫌だった。

先輩がいつもこんな事をされていたのかと思うと…少しだけ同情する。

まぁ何はともあれ、これでなんとか菜々子の身は守れそうだ。
ひとまず、一安心…。


「…だがな」

すると間柴さんは、外の景色を見つめながら少しだけ寂しそうに眉を寄せた。

「俺達が何をしても、どうしようも出来ない事がある。
…妹ってもんは、いつかは兄の元を離れなきゃあならねぇんだ。
それは、仕方ない事だ」

(あ…)

もしかして、間柴さんは先輩と久美さんの仲を許そうとしているんじゃないだろうか…。

しかし、そう思った矢先。

「…だが、幕之内だけは駄目だ。
あいつにだけは、久美は渡さん」

ガクッと肩を落とす。
…結局こうだった。
先輩がこの人に認められる日は、いつかやって来るのだろうか。


「…お互い、妹には苦労しますね」

「本当だな」

そして、ぬるくなってしまった紅茶を一口飲み、小さくため息をつく。

まぁ、菜々子がもし京介とくっつくような事があれば、ボクも間柴さんと同じようにあいつの事を認められないんだろうなぁ…。


「それで、幕之内の件だが…。
何て言って、お前の妹をフったんだよ」

「あぁ、えっとですね」

ボクは、ジム内であった一部始終を話すことにする。

(絶対、間柴さん怒るだろうな…)

話を聞いた後の間柴さんの、鬼のような形相が目に浮かぶ。
先輩には、後でゆっくり謝っておこうと思う。


……それまで、先輩が無事でいられたらの話だが。



Fin.


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