さくぶん

□何言ってるんですか
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「臨也さんは僕のものでしょう?僕の好きにしてなにが悪いんですか。」
「お前のものになった覚えはない!!」
キッと鋭い眼光が少年を貫くが、その笑顔は変わらないままだった。
「愛してます、臨也さん。愛してます。」
「や、やめっ・・・ッ!」
そのままの表情で少年は男の耳に口付け、愛を吐息と共に囁く。耳介に感じる生温い息に男は身じろいだ。
「愛してます。もう誰にも触れさせない。見させない。貴方は僕のものだ。愛してます。愛しい私の臨也さん。」
少年は男を愛している。
男は化け物を愛している。
だが男は‘人間‘という部族においては少年を愛していた。もう男に逃げ場はない。眼前に迫ってきた笑顔に、男は眼を閉じた。

愛しい化け物を脳裏に浮かべながら。
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