響合高校

□これが…(中略)…ような……
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「起きた? ほら、早く――」

「――いいか、そのハートのかけらは柵を登って……、そのまま向こう岸までジャンプして……」

寝言でした。
ちなみに動いたのはただ寝返りをうっただけでした。

「……ああもうっ! いい加減起きろーっ!」

不法侵入した少年は一度呆れた顔をして、それから再び勢いよく叫びます。
しかし青年は起きません。

「………」

少年は叫ぶのをやめじっと青年を見つめ、というより睨みました。
そしておもむろに、自分の肩に掛けて持っていた黒い鞄の中に手を入れ1歩後ろへ。
鞄から出した手には黒い物が握られていました。
それは拳銃でした。
カシャリとスライドを往復させて装填、弾が出るようにします。
安全装置を外し、そしてそれを両手で構え、青年の幸せそうな顔面狙って、

「くたばれねぼすけェェェ!!」

ずばばばばばっ!

躊躇いなく引き金を引きました。
ちなみに連射です。
カチン、上から音がしました。

ずどどどどどどっ!

次の瞬間、殺気を感じ瞬時に起きた青年が弾を上に飛びながら避け、同時に少年へ向け発砲していました。
こちらにもなんの遠慮も容赦もありません。
ちなみにこいつは拳銃2つ構えて一気に連射してます。
しばらくそのままでお待ち下さい。



「――はいおはよー、やっと起きたね」

「ああ、おはよう」

2人は弾が尽きた拳銃に安全装置をかけ、しまいながら爽やかに言います。
双方無傷です。
ちなみに弾は実弾です、びーびー玉等ではありません。
思いっきり銃刀法違反ですが、そんなことに彼らは縛られませんので。
ついでに言うと青年の方は刀を2本腰に下げてます。
帯刀したまま寝てるんですこいつ。
そんな2人の辺りは流れ弾で荒れ放題ですが、建物自体に傷はありません。
とても頑丈にできていますので。

「あー、腹減った」

「はいはい、さっさと朝ご飯食べようね」

非常にのんびりと会話している2人ですが、ふと思い出したように時計を見ると、

8時28分。

時計の針はそう示していました。
ちなみに彼らが通っている高校は30分で門が閉ざされます。
つまりそれ以降に来た生徒は、

「……ちっ……、遅刻だァァァッ!!」

2人して絶叫。
1人はそのまま、もう1人は机の上に置いてあった黒い鞄を引っ掴み速攻で部屋から出ます。
ちなみに青年は少年と同じ制服姿でした。
つまり制服着たまま寝てました。
寝坊したときの対策だけはばっちりです。

「ああもうっ! 遅刻したらちゃんと責任取ってよね!」

「なんで俺がおまえの責任取らなきゃいけないんだよ! 自分のことは自分でやれ!」

「一体全体誰の所為で遅刻しそうになってんのか少しは考えろこのダメ人間!」

「だとコルァ!」

言い争いながらも2人は全力疾走です。
ちなみに部屋は鍵掛け忘れどころか扉すら閉まってません。
来るもの拒まず状態です。
これでは泥棒に入られても文句は言えません。
盗むものもないし中は元から荒れ放題ですが。
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