響合高校

□夜の学校……(中略)……意味で
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『夜の学校探検って憧れるけどそれを行動に移す勇気がなかなか出ない(規則的な意味で)』




夜の学校。
1日の半分が夜なのだから存在するのは当たり前だが、
しかしわざわざ夜に学校へ来る人間はほとんどいない。
よくよく考えればそれは他の大半の建物にも当てはまるがそこは置いといて。

いつも明るい空の下大勢の人で賑わっているのが当たり前の学校は、夜はなんだか印象が180度変わる。
暗闇の中佇む大きな白い建物、閉ざされた門、そして静寂。
昼間とのギャップのせいか、それは他の建物よりもなんかこう、圧倒されるところがある。
上手く言えないが、そんな感じだ。

しかもこの学校は森に囲まれて、というか森のど真ん中に作られているため、
木々のざわめきがより一層不気味さを引き立たせている。
なんていうか、ラストダンジョン夜の学校でもいけるんじゃね? くらいの不気味さである。

そんな学校の門の前に、俺は立っていた。
それも1人で。
時間を見る。
約束の時間から、5分が経過していた。
まったく、人を呼んどいて遅刻するとは。
というか、何故俺は断らなかったのだろう。

溜息をついて、ふと空を見上げてみる。
雲がちらほらとあるため、見える星は少ない。
しかしその中でも、一際大きく強く輝く星があった。
それが、気のせいかゆらゆらと動いている。
というか、なんだか大きくなっているような。
っていうか、なんかこっち向かってきてね?

どんっ! という大きい墜落音と共に、俺の前に何かが落ちてきた。
それは2人の人間で(まァ正確にいうと1人は人間ではないが)、
俺のクラスメイトで、今日俺がここにいる理由で、っつーか危ねェなてめぇら!


「よっ。元気だったか?」

「ほんの数時間前まで一緒だっただろーが! つか他に言うことあんだろ!」

「こんばんはー」

「夜の挨拶じゃねェェ!」


空から降って来た俺の(一応多分恐らくは世間一般の目から見ると)友人2人は、
平然とした顔でそう言った。
っつーか、なんで普通に来れないんだよこいつら。
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