響合高校

□これが…(中略)…ような……
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さて、そのおよそ2時間ほど前。
同じ高校の女子寮、といっても寮は学年ごとに並んでいるので、先程の建物のすぐ隣。
ある1つの部屋、さっきの青年とは違いきれいに片付いた部屋のベッドで寝ていた少女が、今目を覚ましました。
うーん、と伸びをして、ベランダのカーテンを開けました。
気持ち良い朝日が部屋に射します。

少女はベッドから下りると、台所へと向かいました。
食パンを1枚袋から取り出し、トースターへとセットします。
スイッチを入れ、今度はやかんに水を入れて火にかけます。
それだけの作業を済ますと、そのまま洗面所へと消えました。
戻ってきました。

寝起きでぼさぼさだった金髪はきれいに整えられ、
寝巻から白い半袖のシャツに学校指定の赤いリボン、
紺色のスカートという、要するに制服姿になっていました。
着替えるの早すぎです。
みなさんはいくら短時間とはいえ、火をつけた状態から目を離さないようにしましょうね。

やることがなくなった少女は、机の上に置いてある鞄の中身を確認しました。
しかし昨日の夜にきっちりと準備してありましたので、すぐに確認は終わります。
少女は鞄のチャックを閉じると、その隣に置いてある紙袋の中身を確認しました。

紙袋の中身はゲーム機でした。
機種はGC、正式名称ゲームキューブが、その他の周辺機器と共に丁寧に入れられていました。
コントローラーはきちんと4つあります。
ゲームソフトも何本か入っていました。
こちらも昨日の夜にしっかりと準備しましたが、念入りに確認します。

チーン、トーストが焼き上がったようです。
少女は紙袋から視線を外し、冷蔵庫からイチゴジャムと牛乳を取り出しました。
そしてトースターからトーストを取り出し、お皿の上に乗せます。
それからやかんを火からおろし、沸騰少し手前だったお湯をカップに注ぎます。
そこへティーパックをくぐらし、色が十分に出たら砂糖と牛乳を入れ掻き混ぜます。
最後にトーストにイチゴジャムを塗り、

「いただきますー」

少女は両手を胸の前に合わせてから食べ始めました。
食べ終わりました。
少女は使い終わった食器を流しへと持っていき、洗いました。
それが終わると、濡れた手をタオルで拭き、鞄と紙袋を手にして部屋から出ました。
少女が起きてから、まだ30分も経ってません。

少女が部屋から出るのとほぼ同時に、両隣の部屋から同じ制服姿の少女らが出てきました。
3人は朝の挨拶を交わし、部屋の鍵をかけました。
それから、一番背の高い少女が真ん中の部屋から出てきた少女の持っている紙袋を見て、

「忘れてるものはないかい?」

「もちろんだよー♪」

「では、早く学校へいきましょう」

そう一番背の低い少女が言いました。
言い終わった瞬間、全速力で走り出しました。
言われた2人は頷くと、1人も全力疾走、もう1人は背中からピンク色に輝く羽を出し飛びました。
別に慌ててはいませんが、かなり急いでいる様子です。
ちなみにまだ7:00手前です。

彼女たちの通っている学校の校門が閉められるのは、もう1度言いますが8:30です。
そして念のため再び言っておきますと、彼女たちの建物から学校へは、
それは学校の寮なわけですから、200m程度しかありません。
障害物や曲がり道を含めても、走れば1、2分くらいしかかかりません。
つまり、学校へ行くの早すぎですね。
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