響合高校

□夜の学校……(中略)……意味で
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ミトス校長が落ち着いたところで、教室を出て再び暗い廊下を歩く俺ら。
慣れたのか、もう手は繋いでいない。
っていうか何故校長なのに、こんな時間に学校にいるのかと聞かれなかったのだろうか。
相変わらず、この学校の規則というものが分からない。
っつーかこの学校そもそも規則というものがあるのか不安になってきた。


「よーし、じゃあ次はベタに美術室へでも行ってみるか!」

「っつーか探検の目的ってなんなんだよ実際」

「え、そんなのないけど?」


ないのかよ。
なんかもう、つっこむ気失せてきた……。
とその時、んんんん、とくぐもった声が、遠くの方から聞こえてきた。
その方向を見れば、ぼんやりと青白い光を発している教室が1つ。
そして2人は、


「やっぱさ、第二理科室行かねェ?」

「そうだね、調理準備室行こっか」


まったく噛み合っていない会話をしながら、くるりと踵を返した。
つかなんでストレートに理科室や調理室じゃないのだろうか。


「なんだ、怖いのか?」

「こっ、怖くなんてねーよ!」

「そっ、そうだよ全然平気だし!」


このままでは埒があかないので挑戦的に言ってみたら、見事に予想通りな返答が返ってきた。


「どーせ今度もまた誰かが教室内でなんかやってるだけなんだろ?」

「はっ! だったらいっそ全ての怪奇現象が起こった場所回って解明してやる!」


ほとんど勢いで叫ぶと、2人はずかずかと廊下を進んでいった。
というか今まで言う機会がなかったのだが、この学校でもやはり七不思議というものが存在する。
簡単に説明すると、こうだ。

1つ目、教室内ですすり泣く声が聞こえてくる。
2つ目、くぐもった声と共に、教室が青白く光る。
3つ目、暗闇の中、何かを呟きながら廊下を徘徊する男がいる。
4つ目、調理室で、兵器に匹敵する物質を調合している魔女がいる。
5つ目、校舎裏に血の臭いが充満している。
6つ目、誰もいないはずの体育館から、声が聞こえてくる。
7つ目、理科室にある人体模型が動く。

これがこの学校で(主に1年と3年によって)噂されている七不思議だ。
っつーか、1つ目は今さっき解明(といえるのか知らないが)したばかりだし、
なんか文章見るだけで、多分あれだろうなァ、なんて安易に想像できるものもあるし、
というか5つ目なんてもろ原因あの2人だしな。
所詮七不思議なんてそんなものだ。

歩き続けて、1分と経たないうちにその教室の前へと着いた。
っつーか、普通にここ俺らの教室なんですけど。
ここまでくれば、賢明な読者の皆様なら簡単に想像がつくと思いますが、一応教室の中を確認する。
そこには……、
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