響合高校

□夜の学校……(中略)……意味で
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「だー! もう離れろてめェら苦しいんだよ!」

「そんなっ私貴方なしでは生きていけないっ」

「私を1人にしないって約束したじゃないっ」

「気持ち悪いわァァァ!!」


不安を誤魔化すためか悪ノリしてくる2人を、力ずくで引き剥がす。
つーかマジで鳥肌立ったんですけど。


「……で、なんで開いてんの鍵閉め忘れ? 不用心な」

「まァ教室なんて盗むもんねェけどな」


落ち着いたのか、普段通りの口調で教室の中を覗く2人。
ホント感情の入れ替わり早いなこいつら。
が、


「……あれ、なんか教室の隅に――」


ロイドくんが何かを言いかけ、その途中で隣のジーニアスと共に完全停止。
そのまま、ロボットのような固く的確な必要最低限の動きで綺麗に回れ右。
その動きをキープしつつ、入りかけた教室から(いつの間にか手を繋いだ状態で)戻ってきた。


「どーした?」

「いっいやきっと気のせいだそうだそうに決まってる」

「そっそうだよねこんな時間に人なんているわけないよね」


固まった表情で一気に早口で言う2人。
なんだ、教室内に誰かいたのか?
そう思って教室の中を覗こうとした時、何かの音が聞こえてきた。
それは人の泣く声に近く、というか人の泣く声そのもので、

しゃっ、しゃきん、すちゃ。

その瞬間、ロイドくんは右手に拳銃(せめて麻酔銃の類であることを願う)左手にナイフ、
ジーニアスは3本のナイフを器用に片手で構え戦闘態勢に入った。
さーてどっちからつっこもうか。


「よーし、とりあえず落ち着けおまえら。な?」


もし教室内に存在するらしい“人”が本物だった場合大変なことになるので、
刺激しないよう冷静な声をかけ2人を落ち着かせる。
2人は何か言いたそうな目で俺を見たが、素直に戦闘態勢を解く(武器は持ったままだが)。
そして、静かになった教室から再び声が聞こえてくる。
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