響合高校

□夜の学校……(中略)……意味で
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で。
結局俺も門をよじ登り、今は下駄箱で靴を履き替えた後、3人並んで廊下を歩いている。
それだけならばまだ普通だろう。
夜の学校に不法侵入している時点で普通ではないがそこは置いといて。
というのも、


「――なんなの、おまえら」

「いやあれだぞおまえ。その、つまりあれだ」

「人間が理解できる言葉で喋れ」

「なんかこの方がムード出るでしょ?」

「だから何のだよ」


ロイドくんは俺の右側に、ジーニアスは左側にいた。
手を繋いだ状態で。
幼稚園の遠足じゃねーんだよ。
っつーか怖いんなら来るなよ。
……なんて言うとほぼ100%の確率で逆ギレしてくるだろーから口には出さないが。
っていうか地味に歩きにくいんだけどコレ。


「んじゃ、まずどこ行く?」


とロイドくんが言った時だった。
がたっ、と廊下の先から微かな音が聞こえた。
と同時に、俺の両側2人の足がぴたっ、と止まった。


「おい、どーした?」

「いや、別に怖いとかそんなんじゃないからな。ただちょっと足を揃えてみたくなっただけだから」

「そうそう、怖くなんてないから。今のはちょっと直立不動したくなっただけだから」

「はいはい、じゃあさっさと進むぞ」


誤魔化すんならもっとマシな言い訳しろよと思ったが、言ったって無駄なのでそのまま流した。
俺が歩き出し2人を引っ張る形となると、2人も(気が非常に進まなさそうに)歩き出す。
っていうかこいつらなんで夜に学校来たんだホント。


「あー、ごめん、トイレ行きてェ」

「あっ、コンパス忘れてたの思い出した。ちょっと取ってくる」

「安心しろ、トイレもこの方向だ。そしてコンパスなら俺が持ってるから心配するな」


往生際の非常に悪い2人。
そうこうしてるうち、先程音がした教室の前へと到着した。
その中は暗く、外から見る限り特に変わったところはない。


「……なんだ、何にもねェじゃん」


そうちょっと安心したような声を出しながら、何気なくロイドくんは教室の戸に手を掛けた。
同時に、がらっ、という音と共にその戸が開く。


「――っ!」「――っ!」


若干油断していたためか、びくっ、と驚くロイドくんとジーニアス。
っつーか2人して抱きついてくるな、っていうかどっちだ首絞めてる奴!?
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