短編夢
□淡雪
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私の失態の一刹那
神子殿も音をたてて雪の上に倒れた。
「神子殿、ご無事ですか?!」
体勢を立て直し、慌てて神子殿の元へ
「少し冷たいけど、大丈夫です」
にこりと神子殿は笑み
怪我がないことを確認すると私はホッと胸を撫で下ろした。
「…お護り出来ず、申し訳ありません」
そのまま頭を下げ、謝罪を口にする。
それとほぼ同時に
神子殿の手が私の雪塗れの髪に触れた。
「頼忠さんの髪、真っ白。…老人みたいです」
微笑み。
寒さに神子殿の頬はうっすらと紅潮し、まるで照れているような
初々しく見えて可愛らしい。