短編夢
□淡雪
1ページ/4ページ
【淡雪】
雪は
京で何度も目にしたが
はっきりと言ってしまえば
そう
私は其れを
あまり好ましく思わない。
雪が降ると言う事は
必然的に気温は低く
寒さに身体の動きが鈍くなれば
武士としては致命的で。
地に積もれば
人も馬も足を捕られ
迅速な行動をとれなくなる恐れがあるからだ。
全ては
神子殿をお護りする為に。
「――頼忠さん。雪、積もりましたよ!一緒に雪達磨つくりませんか?」
雪にはしゃぐ神子殿のお誘いをやんわりと断った私は
屋敷の縁側から神子殿の様子を見守る事にした。