短編夢
□次代の桃
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兵から、関羽様と共に貴方が戦死したと聞いた時、劉備様の手前、平静を装ったけれど
私はきっと泣いていた。
劉備様が病に伏せり、私に劉禅様を託されて、私に悲しみに浸る余裕はなくなった。
私はもっと、貴方を亡くした私を哀れに思って泣いていたかったの。
『星彩、父上達は桃の花が咲き誇る元で義兄弟の契りを交わしたんだ。拙者もそれに習って、この桃に平和な次代を手にする為の誓いをたてる』
『そして、平和になったら、…星彩、拙者と…』
その言葉を、関平は最後まで語らなかった。