短編夢

□次代の桃
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――関平…今年も桃の花が綺麗よ…。



心の中で、何処か遠い空の上にいる貴方に呟いた。












―次代の桃―












曹魏も孫呉も、蜀漢の前に滅びて、劉備様や関羽様、父上、…そして関平が望んだ平和な次代が訪れた。

時折、平和に物足りなさを感じる事があるけれど、それが幸福な事なのだと私はちゃんと知っている。




私は恵まれている。





こうして、先の人々が目指した次代に、私は主役として立っている。





…ただ、隣に貴方がいないだけ。

次代を見る前に逝ってしまった貴方。
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