02/25の日記
09:33
琥珀色の彼女は…
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白を基調とした豪華な家具類が置かれている寝室
部屋は広く、バスルームや簡易キッチン等はあり、生活するのに不自由はなかったが、そこは窓はひとつもなく閉鎖的な空間でもあった
そんな環境に身を置かされているのは、7年前の事件の際、自我を失いイタリアへ連れてこられた少女である
今では物音に反応し、呻く事ができるまでに回復したが、まだ一人では何も出来ない
今日も部屋の中央に置かれている大きなベッドで横になっていた
彼女の雲と霧達が、よく顔を出しては彼女の身の回りの事をしていく
7年前に起きた事件
当時は男装をさせられていた彼女が、並中へ転校して来たもう一人の10代目候補の少女を襲ったという事だ
もちろん、同じ性別の子を襲う趣味はないし、知り合って間がないので余り話しもしていないし、彼女自身が接点をつくる事を避けていた
それを彼女の家庭教師や嵐や雨達は、不振に思い彼女と距離を取り…
最終的には、彼女に暴力を振るう様になった
皆が自分を信じてくれなかった事に落ち込んでいた彼女に、追い討ちを掛けるかのように少女は、無実の彼女へ有らぬ罪をどんどん着せていった
その度、彼女の雲と霧は少女の言い分を真っ向から否定した
少女は彼女の雲と霧の少年が欲しかった為、何度も彼女の元家庭教師や嵐達に言い、彼女から離れるようにと言ってもらっていた
しかし、それでも少女の言うことは聞く耳を持たなかった
その時言いなり(奴隷)になることを拒んだ彼女に劇薬を飲ませ、心を壊しモノを言えなくして、雲と霧の人質としてボンゴレで幽閉した
…とは言っても彼女が、何不自由なく生活できる様にすることと、いつでも彼女に会えることを条件に、守護者でいる事を了承しただけだが…
しかし、それも忙しく、ボンゴレから長く離れていた彼女の父親が言った一言で、彼女が無実だと嵐達は知ることとなる
「うちの娘が誰を襲ったというんだ?」と…
当時9代目は体調を崩していたため、10代目候補達の間に起きた事は聞いていなかった
また9代目と門外顧問が長く不在だった為、ザンザスが執務を代行していたので知るのが遅かった
ザンザスは『認めた奴以外がボンゴレ10代目になるというなら、俺はボンゴレを抜ける』と宣言する程、彼女に入れ込んでいた
集めた彼女の無実を証明する証拠の中に、彼女を裏切った者達の暴力を振るったり暴言を言っている所があり、9代目が戻ってきてすぐに罰せられた
それが2年前の事である
コンコン…ガチャリ
雲「…調子はどうだい?」
『…ぅ…ん…?』
雲「ごめんね…寝てたんだね」
『…ぁ…ぃ』
雲「今日は君の誕生日なんだ
覚えてるかい?」
『…え〜ぅ?』
雲「もうすぐ彼等も来るから…
もう少し待ってよね?」
『あ〜い』
彼女を裏通り傷付けた者はここにはいない
今、彼女の状態を知った他ファミリーが彼女自身に何をするかわからないので、7年前から彼女は外へ出ていない
部屋には限られた者しか入れないように、9代目により厳重に警備されている
そこに、藍色の髪の少女が入って来る
手には綺麗にラッピングされた洋服がある
ク『ボス…元気?』
『く〜…むぅ?』
ク『骸様…ケーキ選んで来るって…』
雲「また、チョコレートケーキじゃないだろうね?」
ク『多分…りんごを使ったケーキだと思う…
前にボスに切ったうさぎりんごに喜んでたの見てたから…』
『きょ〜う?』
雲「…何だい?」
『むぅ…ま〜?』
雲「もう少しだよ」
そういいながら頭を撫でると、気持ち良さそうに眼を閉じた
骸がケーキとプレゼントを持ってくるまで後数分…
―――――――
完徹の産物…
自分でも意味わからんことに
でも、何となく話しになってるからのせとく←
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