12/31の日記

16:19
目覚める終焉
---------------
月が満ちる霜の子の刻、欲深き彼の者は最後の儀式を経て、この世の全てを手に入れる事が出来る


『ただのお伽話だ』
そう言われ信じられていた






11月某日

空に輝く星達は、満月を迎えた月のせいか、あまり目立たない

その中に一人の少女が、魔法陣の描かれた、空の見える室内の中央にある寝台に横たわる、琥珀色の少年をうっとりと眺める


『もうすぐだわ…

もうすぐで彼のお方が目覚め、私の願いが叶うわ


…でもまさか、最後の儀式で要るモノに貴方が選ばれるなんて皮肉ね…

私の願いはお父様達の蘇生と、お父様とお母様を見殺しにした貴方が継ぐはずだったマフィアの殲滅なんですもの』


細かな装飾の成された短剣が、少年の左手首に突き付けられる


『清らかな魂を持つ者の緋色の雫と魂を、この世の柱として捧げ、我が願い聞き届け給え』


少女は少年の手首を切り付けようとして…


「ま、待て!」

「「10代目(ツナ)!!」」

「「綱吉(君)!!」」


ポタリ…

血が魔法陣へと落ち、怪しげに光り輝く


『もう遅いわ…

ふふっ…やっと…やっと彼のお方が目覚めるのよ!』

「儀式はまだ終わっていませんよ!

今、君の命を奪えば…」

『あら…無駄よ?

私ではなくて、綱吉君の身体を使って彼のお方は世界に干渉なさるのだから…

殺すなら、綱吉君を殺すのね


貴方達に出来るのかしら?
うふふっ…アハハハっ…』



閉め切られた部屋だと言うのに風が少年と少女を中心として巻き起こる


風が止み、少年が起き上がる

少年の綺麗な琥珀色の瞳が、紅く怪しく光る

「我を、眠りから覚ましたのはそこの貴様か?」


視線を向けられた少女は、すぐにひざまずき、丁寧に答える


『はい、私は貴方様の忠実なる僕
何なりとお申しつけを…』

「そうか…

貴様、名は何というのだ?」

『はい…燈菜と申します』

「とうな…か

まだ、我の力が身体に馴染んでいないからな…願いは叶えられん

力が馴染むまで一週間、我はかの地で眠る


騒がしくさせるな…よいな?」

『お任せ下さい

必ずや貴方様の御期待に添って見せましょう』

少年を中心に風が巻き起こる

ボンゴレの者達は目を開けていられなかった


目を開けた時には、少年の姿は既になかった




始まったのは世界の終わり

しかし、それだけではない


人間誰しも死が訪れる様に、何事も終わりがくる

それに抵抗出来る力を皆がそれぞれ持っている


皆は彼の者を止める事が出来るのだろうか?


それを知るのは…



―――――――

突然の思い付きネタ

僕の思ってた以上に上手く仕上がったからビックリしてます


最終的に、ツナと燈菜ちゃんが彼の者に抵抗してまた封印しちゃうお話

(僕的には、燈菜ちゃんは誰かに操られてたらいいな)

前へ|次へ

コメントを書く
日記を書き直す
この日記を削除

[戻る]



©フォレストページ