‡裏‡

□【ワイングラス―後編―】
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危険な岩場地帯を抜け、今やジェットフライヤーは木々が鬱蒼と生い茂る森の上を走行していた。
眼下に広がる緑色がぼんやりとした悟飯の瞳に映るが、それは瞳を不快に刺激する色ではなかった。
機体の外では様々な動物の鳴き声が聞こえているのだろうが、ジェットフライヤーには防音設備が整っている上に、悟飯の耳は音を受け止めるのを拒否するかのように鈍感になっている為、何も聞こえてはこない。
森の先は高木地帯となり、高木地帯はそのまま山へと繋がっている。
地上の壁のように行く手を阻む山々を越えて暫く走行を続けると、間もなく次の街が見えてくる。
そこから西の都まで、大した距離もない。
トランクスがこれで満足してくれたのなら、人目につかずに済んだだけ、幸運だったと言うべきだろう。
だが、トランクスの手はまだ止まらなかった。

「ひぁっ!!!やぁぁっ!!」

悟飯の精液で濡れた手で、トランクスは、射精直後の敏感になった悟飯の性器をゆるゆると上下に扱き始めた。
本来ならそのまま急速に萎えてゆく筈の悟飯の性器は萎えることも赦されず、新たな刺激に否応なしに回復を余儀なくされる。

       ・・
「もしかして、あれ以来、ご自分でしてなかったんですか?」

トランクスの言葉に否定も肯定もせずに、再び悟飯はトランクスから顔を背けた。
人造人間との闘いの為に元来性に対する興味が希薄な上に、トランクスとの先の一件以来悶々と悩む日々が続いていたのである。
そんな気には到底なれなかった。

「悟飯さんは“こういうこと”に関心がなさすぎです。オレと一緒に暮らしてた時だって、夜中にこっそりご自分で下着を洗ってたでしょう?」

その言葉に、悟飯は音を立てるほど強く奥歯を噛み締めた。
羞恥で自分の体が縮こまるのがよくわかる。
よりにもよって、あんな恥ずかしい姿をトランクスに見られていたなんて。
一生の不覚としか言いようがない過去の汚点に、悟飯の瞳にうっすらと涙の膜が張った。
そんな悟飯の様子を上目遣いに見遣りながら、トランクスの手は下へ降り、二つのボールを擦り合わせるように揉み始めた。
まるで悟飯の下部に悟飯の精液を塗りたくるように動く指は、更に奥への侵入を狙っている。
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