‡悟飯受けの部屋‡

□【散歩】
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「なんだ、おめぇ・・・。性懲りもなくまた来たんか」


来訪者を出迎えに現れた同郷の知人は、ターレスを見るなり、『招かざる客』との思いを眉間にくっきりと浮かべた。

その鋭い眼光には敵意が満ち、体全体を覆う急激に膨らんだオーラは、知人が瞬時に戦闘態勢に入ったのを知らせている。

この反応の素早さは、さすがは戦闘民族サイヤ人といったところか。

だが、ターレスには、そんなどうでもいいことには構っていられなかった。


「カカロット、俺はお前に会いに来たのではない。用があるのは悟飯に、だ。いい加減に、物覚えの悪いその頭で記憶したらどうだ」


「・・・物覚えの悪いオラの記憶だと、おめぇが悟飯を誘拐しようとしたのは一回、レイプ未遂が二回、キス未遂が五回、無理矢理服を脱がせようとしたのが三回、不意打ちに後ろから抱き着いたのが七回、セクハラに至っては数え切れねぇよなぁ」


と、ターレスの過去の悪行を数えあげているうちに、尚も怒りが込み上げてくるのか、知人の体を包む『気』は、オーラなどと呼ばれる生易しいものからブラックホールへと変化しつつある。

だから、お前に用があるのではないと言っているだろうに。


「貴様にしては良く覚えているな、誉めてやる。
もっとも、そのことごとくを邪魔してくれたのが
他ならぬ貴様なら、覚えていても不思議はないか」


自分の悪行の数々を眼前に突き付けられても、物怖じしないどころかさらりと嫌味を返すあたり、ターレスの神経は並の図太さではない。


「オラの悟飯に何の用だ・・・」


まさか『レイプ目的で』とは言えまい、さあ、どういう言い訳で凌ぐつもりだと、明らかにこちらの反応を窺っているのが見て取れる。


「いつから悟飯がお前のものになった。いくら父親だからといっても、貴様の悟飯への固執振りは、ちょっと異常じゃないのか?親の過干渉は子供の教育に良からぬ影響を及ぼすと、専門家も説明しているぞ」


「偉そうにもっともらしいことぬかしやがるじゃねぇか、ターレス。まさか、おめぇに育児について語られるとは、夢にも思わなかったけどなぁ」


こんな嫌味の応酬が、孫家を訪問する度にあるのだから溜まったものではない。

いいから、早く悟飯を出せ。
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