アルカンシエルは黒に染まる

□白磁の黎明
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月の登った静かな街にその音は軽快なリズムを奏で鳴り響いた。


「What is it? The boss」


流暢な英語を喋る声の主がいる場所は街を……いやこの大都市を見渡せるほど高い塔の上にいた。
まだ若干20代だろうか、あどけなさが残るその人物は携帯片手に何やら辞書と睨めっこしていた。


「I make them succeed certainly.」


持っている辞書は黒く、題名であろうか表表紙には金色でMAFIAと記載されていた。
時折予想外の言葉が来るのか慌ててページをめくる。
すると会話が佳境に入ったのか先程までの空気とは違う空気を纏始めた。


「Everything is in omniscient and omnipotent origin」



その言葉を最後に携帯を切ると同時に辞書もしまい大都市の一角を見つめた。
いつの間に取り出したのか手には新たに6枚の書類を持っていた。


「さて、探しますか」


羽織っていたコートの前をしめると自分のいた場所から降り立った。


数分後先程の人物がいたところに現れたのはスナイパーライフルを背負った1人の男だった。
彼はその場所を一通り調べると何処かに電話をかけ始めた。


「ええ、はい」


男は電話を切ると脱いでいたコートを羽織り立っているところを強く蹴り飛び立った。
男のコートの背中にはグリフォンをモチーフにした紋章が描かれていた。




next……

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